ジリリリリリリリリリリ
頭まで被っている布団から手だけを出して
手探りでめざましを止めた
昨日の夢のような出来事の余韻がすごく
たぶん、1時間ぐらいしか寝れていないと思う
半分寝ぼけたまま身支度を済ませリビングに向かった
席に着くと食パンとおかずを出してくれた
ゆっくりと食べ始める
と新聞を見ながら聞いてきた
そう、昨日は時間がなかったから
2人と話をする暇がなかった
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お父さんは私より10分ぐらい先に仕事に向かった
登校時間になり学校に向かう
昨日と同じぐらいの寒さで体が自然と震える
歩き進んでいると
目の前に1台の黒い車が止まっていた
黒い車、、薮くんのと同じだ
絶対に薮くんのではないと分かっているのに
少しの望みで中を覗いてみる
中にいたのは、50代ぐらいのサラリーマンだった
その人とバッチリと目が合う
一目散に学校へと走っていく
朝から何してんだろ、、
薮くんなわけないのに
学校に着いた時には髪はぐしゃぐしゃで
制服も乱れていた
直しながら席に着くと友達が駆け寄ってきた
この子は友達の〇〇
入学して1番に仲良くなって今は私の安定さん
そういってクシを取り出し髪をとかしてくれた
可愛くて優しくて面白くて
何もかも完璧だから男女どっちからも人気な彼女
もし、昨日私じゃなくて〇〇だったら
薮くんは好きになっちゃってたんだろうなぁ
気がつくと自然とため息をついていた
なんて2人で笑いあった
こんなくだらない話を毎日するのが楽しくて
嫌なことも忘れることができる
〇〇は心の底から必要とできる大切な友達なんだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。