第9話

No.9
405
2020/08/14 16:33
あなたちゃんside

あれ?

どこだろう?

道場?

赤い炎をまとった大きい男の人と

小さい赤色と白色の髪の男の子がいる

もう1人は白い髪の女の人

親子かな?

さっきのお兄ちゃんと同じ髪の男の子だ

あなた「!!」

すると炎をまとった人が赤白髪の男の子の腹部を殴った

赤白髪の男の子は嘔吐してしまいその男の子に

近づいた女の人が庇って何か言ってる

でも聞こえない

なんで

なんでそんなことできるの?

と思った時に

画面が切り替わったようにキッチンの場所に変わった

次は赤白髪の男の子と白い髪の女の人がいる

でもさっきと雰囲気が違う

女の人がとても怖い

そのまま見ていると

あなた「!!」

女の人が男の子の目を向かって熱湯を浴びせた

どうして

どうして

自分の子供にそんなことできるの?!

あなた達の実の子に

あなた「目が覚める」

気がつけば赤白髪のお兄ちゃんの腕の中

相澤先生?が話をしていた

私の目が覚めたことに気がついたのか赤白髪のお兄ちゃんが私を見た

赤白髪のお兄ちゃん「もう起きたのか?」

あなた「.....うん」ぽろぽろ

お兄ちゃんの目を見ると左目には火傷の跡があった

私はその火傷に手を当てて気づけば泣いていた

静かに

涙が自然と流れていた

赤白髪のお兄ちゃん「!?どうした?」

あなた「......ごめんね」ぽろぽろ

そんな言葉しか出なかった

辛かったのに

助けて欲しかったのに

実の親にあんなことされたのに

守ってあげられなくて

気づいてあげれなくて

「ごめんね」

その一言しか出なかった

1人で密かに泣いていると

ポンっと

頭に手が乗った

赤白髪のお兄ちゃん「あなたが謝ることは何も無いぞ」

優しい言葉を私にくれた

相澤先生の話が終わる頃には落ち着いていて

涙も止まっていた

話が終わってから相澤先生がこっちに来た

相澤消太「あなたちゃんおはよう」

あなた「お、はよ、う、ござ、い、ます」

相澤消太「今日あなたちゃんには少しお話をしてからみんなと個性の使い方についてお勉強してもらうことになるけど大丈夫かな?」

あなた「.......みんなとまた会える?」

相澤消太「夕方には会えるよその前に少しだけ話があるがな」

あなた「.....わかった」

相澤消太「なら他の教室に行こうか」

あなた「うん」

と言われたので赤白髪のお兄ちゃんに下ろしてもらった

先生の後について行こうとしたけど振り返って
赤白髪のお兄ちゃんの服の袖を引っ張った

赤白髪のお兄ちゃん「あなた?」

あなた「な、なまえ、、おし、えて?」

赤白髪のお兄ちゃん「俺の名前は轟焦凍だ」

あなた「しょうと兄ちゃん?」

轟焦凍「あぁ」

あなた「また頭撫でてくれる?」

轟焦凍「いつでも撫でてやるぞ」

あなた「✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿ありがとう!!」

そう言って相澤先生のあとを追いかけた

轟焦凍side

俺は正直驚いた

目が覚めたあなたが俺の左目の火傷の跡を触って「ごめんね」と呟いたことに

あなたの個性がなんなのかまだわかっていない

でもこの前は氷と水と水蒸気を操っていたから
水の温度を変えられる個性なのかと思っていたがそれだけでは無さそうだ

だが最後の
「✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿ありがとう!!」
の言葉から察するに裏はないと思う

でも子供にしては少し大人びていると思った

あなたちゃんside

相澤先生について行くと空き部屋に連れてこられた

用意された椅子に座ると向かい側の椅子に相澤先生も座った

すると真剣な顔で私を見てこう言った

相澤消太「あなたちゃん昨日の夜部屋に誰か来た?」

そう聞かれた時驚いた

正直あの人に会ったことは夢だと思っていたからそんなに気にしてなかった

ものすごく真剣な顔で私を見ている先生

だから

素直に答えた

あなた「?誰も来てないですよ」

相澤消太「....そうか」

あなた「でも夢の中で誰かに会いました
顔もよく覚えてないから分からないけど」

相澤消太「....わかったありがとう」

そう言って相澤先生は一息ついた

何かあったのかな?と思ったけど

聞かないでおこうと思った

相澤消太「あなたちゃん」

あなた「?」

相澤消太「君の個性は残念ながらまだわかっていないでも明らかに個性は使えるだから今日の6時間目のA組のヒーロー基礎学の自習の時にアイツらが個性を使っているところを見てもらって君が今必要な知識を教えようと思う」

あなた「ねぇ先生」

相澤消太「なんだ?」

あなた「私ね多分親いないと思うんだ」

相澤消太「!?.....なんでそう思うんだ?」

あなた「わかんないでも間違ってないと思う」

相澤消太「........」

あなた「でもねみんなに会えて嬉しいよこんな怯えてる私を保護してくれていっぱい喋ってくれるんだもん私はみんなが大好きだよ
昨日あったばかりだけどみんなの事は信用できると思ったんだ
自分のことはあんまり思い出せないけど思い出したら絶対に話すよ
だからもうちょっとだけ時間をください」

相澤消太「時間ならたっぷりあるゆっくり思い出していけばいい」

と頭を撫でてくれた

あぁ

私はほんとに

ここにいていいのかな

みんなの優しさがいつか私を苦しめることになったりしないかな

昨日あったばかりなのにこんなにも胸が締め付けられるほどに私はみんなが大好きなんだと
自覚した

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