第8話

No.8
354
2020/08/05 01:23
出久兄ちゃんに連れられて1年A組と書いてある札がついている大きなドアの前まで来た

緑谷出久「じゃああなたちゃんドア開けるよ?」

あなた「う、うん」

スッ

と出久兄ちゃんがゆっくりとドアを開けた

緑谷出久side

教室のドアを開けるとみんなが僕をいっせいに見た

緑谷出久「みんなおはよう」

と言うと教室にいたみんなが「おはよう」と返してくれた

でもやっぱり少し怖いのかあなたちゃんは教室の中を見ようとはしない

ドアに隠れたまま僕の手をぎゅっとさっきよりも強い力で握りしめている

僕が教室に入らないことを不思議に思ったのか麗日さんが近づいてきた


麗日お茶子「デクくん?何かあったの?」

緑谷出久「えっと〜」

と返答を濁すと麗日さんがドアに隠れているあなたちゃんを見つけた

麗日お茶子「!!昨日の子や!!」

あなた「ビクッ」

麗日お茶子「あっごめん急に大きい声出してもた」

あなた「フルフル」

と横に首を降っているあなたちゃん

麗日さんが言ったことが気になったのか教室にいたみんなが僕達の方に近づいてきた

耳郎響香「ほんとに昨日の子だ」

蛙吹梅雨「昨日と違う服ねとっても似合ってるわ」

上鳴電気「ほんとだちょー可愛い」

飯田天哉「でもどうして緑谷くんがこの子を連れてきているんだ?」

と飯田くんが言うと一気にみんなの視線はあなたちゃんから僕に切り替わった

緑谷出久「えっと相澤先生に頼まれてあなたちゃん起こしに行ったあとに職員室に連れて行ってこの服に着替えたんだけどあなたちゃんがみんなと話してみたいって言ったから相澤先生に服を見せるついでに話に行こってことになって連れてきました」

と言うとみんな嬉しそうな顔をして

みんな「かわいい!!」

と呟いた

でもなかなか喋らないあなたちゃん

やっぱり急にこの人数は難しかったかな?

と悩んでいると

轟焦凍「......あなたおいで」

とあなたちゃんの目線まで屈んで手を広げている轟くんがいた


あなたちゃんside

何を話してるのかも分からない

でもなんて喋ったらいいのかも分からない

........どうしよう

いっぱい人がいる

やっぱり怖い

目をぎゅっと閉じて下を向いていると

半分赤で半分白い髪の人が私と同じ目線まで屈んで手を広げて

?1「.......あなたおいで」

と私の名前を呼んだ

昨日保健室で出久兄ちゃんも手を広げてくれた

あっ

私の大好きな

抱っこだ


と思うと出久兄ちゃんの手を離してその人の腕の中に入るとぎゅっと抱きしめてくれた

抱きしめてくれた後に私を抱いたまま立って私の頭を撫でてくれた

とても優しくて

とても安心する

まるであの人の手のようだ

あれ?あの人って誰だろう??

まぁいっか

などを思って私は目をつぶって眠った

轟焦凍side

クラスの奴らがあなたと緑谷を囲んで話し込んでいるのを見た

だがあなたは一言も発せずに下を向いて目をつぶっていた

やっぱりまだ怖いのか

俺に何ができるかを考えた結果

あなたを抱っこするという考えに至ったから
あなたの目線まで屈んで手を広げて

轟焦凍「.......あなたおいで」

と呼ぶととても嬉しそうに俺の腕の中に入ってきた

俺がぎゅっと抱きしめると小さな手であなたも抱きしめ返してきた

抱っこしたまま立って頭を撫でると落ち着いたのかいつの間にか寝ていた

轟焦凍「緑谷」

緑谷出久「どうしたの?轟くん」

轟焦凍「あなたが眠った」

緑谷出久「えっ!?」

芦戸三奈「はやっ!!まだ抱っこされて1分も経ってないのに」

上鳴電気「轟だけズリぃ俺も抱っこしたい」

八百万百「それにしてもとても気持ちよさそうに眠ってますわね」

蛙吹梅雨「急に知らないに等しい人が一気に来たからきっと疲れちゃったのよ」

麗日お茶子「なんか悪いことしちゃったね」

緑谷出久「みんな大丈夫だよ多分何話せばいいのかわからなかっただけだと思うしあなたちゃんから話したいって言ってくれたんだもんそのうち話してくれるよ!」

葉隠透「そうだよね!!」

緑谷出久side

みんなでそんな話をしていると相澤先生がやってきた

相澤消太「なんでお前らドアの前にいるんだ??」

緑谷出久「あっ相澤先生」

相澤消太「緑谷 あなたちゃんは?」

緑谷出久「轟くんに抱っこされた時に眠ってしまって」

相澤消太「なるほどな」

轟焦凍「あなたどうしたらいいんですか?部屋に連れていきますか?」

相澤消太「いやその必要は無い今日は職員室で面倒見る予定だったんだがどっちみち誰も手が空いてないから俺が見ることになってる」

飯田天哉「何かあったんですか?」

相澤消太「大したことじゃないだから今日一日はお前らがあなたちゃんの面倒を見るようなもんだどっちみち個性の制御の事とかいろいろ教えてやれいいな?」

みんな「はい!!」

相澤消太「あと、、各々わかってると思うがあと2日で雄英体育祭だちゃんと準備しとけよ」

みんな「はい!!」

相澤消太「じゃあホームルームを始めるお前ら席につけ轟はそのままあなたちゃん起こさないように席につけ」

轟焦凍「わかりました」

と言ってホームルームが始まった

プリ小説オーディオドラマ