第66話

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2022/12/18 02:45
間もなくして志麻が宙に魔法陣のようなものを空書きした。

その線は杖の動きに連動して、光ながらぼーっと現れる。その光の魔法陣を地面に向けて魔法を打つと、たちまちさかたとセンラが眩しいくらいの光に包まれながら出現した。


❤️💛「「あなた!!!!!」」


眩しかったのか目をぎゅっとつむった2人だったが、目を開けた途端私に飛びついてきた。


「うわあ!!」


勢いがあまりにも強いせいでよろけそうになったが、それはもう強く抱きしめられているから倒れることも無く、ただただ私は2人の中で硬直した。


❤️「もうだいすき!!!!」


「えぇ!?」


💛「…生きててよかった」


💚「おいお前らそんなに乱暴にすんな。あなた怪我してんだから。センラ、早く治して。」


💛「分かってますよもう」


「センラ、ありがとう」


❤️「雑魚ちゃん俺はー??」


「さかたも助けてくれてありがとね」


💜「俺もありがとう言ってもらいたい頑張ったし」


「志麻もここまで連れてく来てくれてありがとね」


💚「………」


「うらたも!いちばん危ない時に助けてくれてありがとう」


💚「でもあなたのこと傷つけた。やっぱり守れなかった。俺って結局弱いだよな。あんな学校で1番で、周りより少し強いだけじゃ大切な人1人も守れないんだな。」


弱いのはやっぱり大嫌いだ。とそう目を伏せて小さくつぶやいたうらた。


「……もう、うらたが弱いはずないでしょ。魔力じゃあいつには叶わなかったのかもしれない。でも、うらたの言葉に私がどれだけ救われたと思ってるの?みんなの記憶をなくしていた私に、かけがえのない人って言ってくれたの、本当に嬉しかった。みんなのことを全く思い出せない私を見捨てないでくれた。ずっとひとりぼっちだった私からすれば、それはすごく大きい勇気になるし、希望になるんだよ。」


みんなの目を見て語りかける。
きっと私があいつに連れていかれたせいでみんな自信を失ってると思う。
私を守ってくれるって約束したのにって。

確かに痛かった。怖かった。心細かった。でも、みんなが助けに来てくれたこと、それがどれだけ私を絶望から救ったか、どれだけ私の心が温まったか。みんなに気づいて欲しい。


「みんなはやっぱり強いよ。私の心を何度も救ってくれたから。次は私がみんなの心を助ける番。私1人のためにここまでしてくれて本当にありがとう。」


そういうと、さかたの目から大粒の涙がこぼれた。


❤️「あなた〜!!!」


みんなの目にも涙が溜まっていた。
これが私にしかできないことだと思うから。


❤️「あなたのご飯また食べたくなってきたなぁ」


いつまでたってもこの人たちはおっきな赤ちゃんだった。

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