第3話

起点

1,983

2019/12/22 07:32

八乙女楽

どうゆう事だよ、天

九条天

言葉の通りだよ

八乙女楽

何勝手に勧誘してんだって話だ
そもそもお前、
こいつ歌えるのか？

You

ギターもできますよ？
ここにはありませんけど

九条天

ほら歌えるって

八乙女楽

くそっ
マネージャーに話つけろよ、先に

九条天

分かった。そうするよ

十龍之介

ちょっと待って
この子の意思はどうなの？

You

別に構いませんよ？
私、死のうと思ってましたから

あなたは変わらず、笑顔で言った。















八乙女事務所、と書いてあった。

You

楽さんの親父さんが経営してるんですか？

八乙女楽

そうだよ

不機嫌そう。

九条天

あなた、マネージャー
もうすぐ来るから
ここら辺で待っておこう

You

はい！

八乙女楽

俺たちは先いくからな

十龍之介

え？俺も？

九条天

勝手にどうぞ

楽と龍は行ってしまった。

九条天

で、いくつか聞いていい？

You

はい。天さん

九条天

何歳？

You

13歳です

九条天

学校は？

You

もう辞めました。
叔父と叔母が居なくなった今、
学費も免除してくれませんから

九条天

親族は？

You

迷惑かけたくないので
縁を切ったつもりです

笑顔で繰り広げられる会話はどこか、異様な雰囲気だった。

多分、互いが偽物の笑顔をしてるからだとあなたは思った。

姉鷺カオル

天。なんの用？
話があるって…………

You

あ

姉鷺カオル

あ、あなたさっきの

九条天

姉鷺さん、知り合いですか？

You

はい。先程、傘を丁寧に
傘を貸してくれると
言ってくださった方です

ニコリと答える。

姉鷺カオル

（この子……こんな明るい顔
 してたかしら？）

九条天

そうですか。なら話が早い

姉鷺カオル

そうよ、天。
で、何の話よ？

九条天

彼女。アイドルにできない？

姉鷺カオル

…………………はぁ、
無理に決まってんでしょ？

九条天

どうしてですか？

姉鷺カオル

うちの社長が
こんなよそけら拾ってきた娘
欲しがると思う？

九条天

思いませんね

姉鷺カオル

ほらダメじゃない

You

なら、私は
要らないですね

あなたはその場から立ち去ろうとする。

九条天

ちょっとどこ行くき？

You

そうですね………通ってた
学校の屋上にでも行きましょうか

可愛らしい動作をして、えげつない発言をした。

You

死にに行きます

姉鷺カオル

ちょっ、待ちなさいよ！

You

なんですか？

姉鷺カオル

アイドルはダメでも
うちのマネージャーにはなれるかもよ

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第4話就職

ライラ

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。