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第2話

2話
19
2022/09/17 14:51
裕太
ニコちゃん〜
今晩、彼、裕太は行きつけのカフェを訪ねていた。
ニコ
おっ!裕太じゃん!
今日もココア飲んでくかい?
裕太
んーん、今日はね、ちょっと聞きたい事あって来たんだ
ニコ
聞きたい事?
裕太
ほらここって音楽活動してる人の溜まり場じゃん
ニコ
そうだねぇ…
裕太
ここに通う人で、ソロ活動の人居ない?
ニコ
うーん…あの人とか?
ニコは1人を指さす。
ニコ
イト〜!ちょっと来てくれる?
イト
はい
イトと呼ばれた人は席を立ち、ニコの方へ駆け寄る。
イト
なんすか店長
ニコ
こいつがイトに用があるらしい…ほら、後は自分で言えよ
裕太
えっと、イトさんと一緒に音楽活動したいんだけど…
イト
おけ、イトって呼んでいいよ
イトはあっさり頷く。
ニコ
裕太、良かったな〜
イト
これからよろしくお願いします
裕太
よろしくねー
ニコ
てか音楽、2人でやんの?
裕太
あと2人くらい欲しいかなぁ
イト
そーだ、LINE交換しよ
イトはスマホを取り出す。
ニコ
あたしと?いいよ〜
イト
ニコとはもう交換してるじゃん?
裕太
あ、俺とか
裕太
はいこのコード読み取ってくれたら
イトは言われた通りにする。
イト
ありがとう裕太
イトはふっと微笑む。
裕太
あんた顔良いな…
イト
そ?とりあえずこれから用事あるから帰る。またね、ニコと裕太
ニコ
またね〜
裕太
あ、おう
イトはドアを開けて出ていった。
ニコ
そろそれ戸締りするし裕太も出てけよ〜
裕太
はいはい、またねニコちゃん
ニコ
またな〜。次はココア飲んでけよ〜
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裕太は電車に乗っていた。
裕太
(電車で音ゲーするとかヤバいやつかよ)
目の前に座っていた数少ない乗客の内の1人を見て、裕太は少し苛立つ。
裕太
(見たところ俺と同い年くらいか?)
裕太が見ている人は、膝にiPadを乗せて、イヤホンをしながら音ゲーをしていた。
裕太
(高難易度っぽい譜面…)
そんな事を考えている内に、iPadの画面はリザルト画面へと切り替わる。
裕太
おい、おニーサン
裕太は我慢できずに肩をたたきながら声をかけた。
裕太
聞こえてんのか?
彼はは裕太を見て目を見開くと、片耳のイヤホンを外して怯える様な目をする。
裕太
(いかにも陰キャみてぇ…)
天音
な、なんですか
裕太
あのさ、言わせてもらうが、電車でまで音ゲーする必要性無くね?
天音
…アンタらが待ち時間にスマホ弄るのと同じですよ
彼はは警戒心MAXで返答する。
裕太
てかさお前音ゲー上手くね!?あ、そーだ。俺の名前は裕太ってんだけどさ
急に褒められた彼は意外だと言わんばかりに驚いた表情をする。
天音
……天音
裕太
は?
天音
俺の……名前
裕太
てかお前どこの駅まで行くん
天音
2個先の駅。いつもは家に帰るんだけど今日はちょっと…
彼、天音は怪しい人を見る様な目を裕太に向ける。
裕太
ちょっとってなんだよ
天音
ちょっと俺、バーに行くんすよ
裕太
え!!??
天音
…陰キャでもそんなところ行くんだとか思ったでしょあんた
天音は既にiPadの電源を切っていた。
裕太
い、いやそんなこと…
天音
友達を慰めに行くだけっすよ
天音は鞄にiPadをしまう。
裕太
あ、ここで会えたのもなんかの縁って事でLINE交換しね?
天音
うわぁ…陽キャ感エグいすね
裕太
うるせーなおい
あ、タメでいいよ歳近いだろうし
2人は愚痴り合いつつもLINEを交換する。
裕太
あ、そだ。俺今ソロで音楽活動やってる人募集してるんだよね。知り合いにやってる奴居たら教えてよ
天音
なんで
裕太
音楽のグループみてぇなのつくってー…
裕太
んで作曲から歌唱までやるの
天音
そだ、あんたも来る?
裕太

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