第2話

幼馴染みの君と俺。
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2019/01/05 06:09
幼稚園生の時、初めて友達になったのが君だった。
??
ねぇねぇ!一緒に遊ぼ!
じん
え…?う、うん!いいよ!
僕はじんって言うの!君は?
みや
僕はね、えーと、みやって言うの!
じん
みや?あだ名?
みや
そう!だからじんくんもみやって呼んで!
じん
わかった!みやね!
それから俺達は家が近かった事もあり、すぐに仲良くなった。
そして小学校を卒業するまでの約10年間、
ずっと一緒にいるなんて予想もつかなかった。



そして、こんな感情を抱くことも。
――――――――――
じん
みやー!起きて!遅刻するよ?
みや
んぁ…んん?
じん
ほーら、寝ぼけてないでさっさと起きて!
小学生になってからの朝の日課、それはみやを起こす事。
みやは寝起きが悪いから俺が起こさないと必ず遅刻する。
みや
じんちゃん…今何時?
じん
もう7時半!
今日始業式なんだから急いで!
みや
げ、そうだった…!
やべぇ、急がなきゃ!
そう、今日は始業式。
俺達は進級して6年生になる。
みやは手早く支度を済ませ、通い慣れた道を2人で走り抜け、学校を目指す。
みや
ギリッ…ギリセーフ!
じん
はぁぁ…良かった…
俺とみやは4年間一緒のクラスで、3、4年の頃は離れてしまったけど嬉しいことにまた5、6年で一緒のクラスになれたのだ。

俺はどちらかと言うといじられ体質なので、良くクラスの強い子達にからかわれたりすることが多々ある。そんな時はみやがそいつらから俺を守ってくれる。
そんな優しくて、強い君に…
俺は…
みや
…ちゃ、…じんちゃん!
じん
うわぁっ!?
みや
もー、どうしたの?そんなボーッとして…
じん
い、いや、何でもない!
俺は誤魔化すように自分の席へと向かう。
流石にみやの事考えてたなんて言えないもん。
じん
はぁぁ…
4月の陽気な天気とはまるで真反対に、俺はどんよりと深くため息をついた。
――――――――――
じん
あれ、みやどこ行ったんだろ…一緒に帰ろうと思ってたのに…
みやと一緒に帰ろうと、俺はランドセルを持って自分の席から立ち上がろうとすると…
クラスメイト1
おい、じん
クラスの気が強い男子グループの1人に声を掛けられた。
じん
な、なに…?
俺はこのグループが苦手だ。
いや、嫌いと言った方がいいかもしれない。
5年生の頃もこいつらに散々からかわれたりしたから。
クラスメイト3
ちょっとさぁ〜、話があるんだよねっ
じん
話…?
クラスメイト2
そーそー、丁度宮川もいないし、こっち来いよ
じん
(みやがいないタイミングを狙って…)
じん
わ、わかった
俺が返事をすると、その3人は不気味に微笑んだ。
――――――――――
みや
じんちゃんお待た…って、いないじゃん
俺はじんちゃんの机を確認すると、まだランドセルやら筆箱やらが残っていた。
トイレかななんて呑気な考えが頭に浮かんだけれど、次の瞬間にはそんな考えは何処かに飛んでいった。
みや
あいつら…始業式だっつーのに…っっ!
じんたん!!!!!!
俺は勢いよく教室を飛び出した。




俺が見たのは教室に残っているじんの物でも無い、3つのランドセルだった。






……To be continued

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