真っ直ぐな目を彼女は向ける
その顔にはさっきの笑みは消えていた
中原さんが好きなら
きっと渡部くんも中原さんのことが…
そう思うだけで心が痛む
やだ……やだよ…!
中原さんからの思わぬ言葉に私の頭は呆然となった
"私のことが嫌い?"
「嫌い」なんて言葉
面と向かって初めて言われた。
とスマホを渡される
と言うと
その言葉にホッとしたのも一瞬で
そう言い残し中原さんは教室を出ていった
…………近づかないって…
トークもしちゃダメってこと?
それってもう関わるなっていうのと同じじゃない?!
いつものニコニコ顔の中原さん。
そんな中原さんの裏の顔を見て
なんというか…
そのあと ふらっと家に帰ったけど中原さんのことで頭がいっぱいで、何も考えられなくて。
気づけば次の日の朝になっていた
と七海が心配そうに部屋に入ってくる
と言葉にした瞬間 涙が落ちるのがわかった
と七海が珍生物を見たかのようなギョッとした顔をする
涙がポロポロと流れる
昨日のことを簡単に七海に話した
涙が止まらなくて話がゴチャゴチャだったけど
七海は何も言わず聞いてくれた
と七海は言った
しかし七海から予想もしない言葉が出てきた
自分で言うのもなんだけど七海は私を慰めてくれるのかと思ってた←
なのに七海の口から出てきたのは中原さんを肯定するかのような言葉
私は頷く
2人は幼馴染なんだもん。
好きな時期が長くたって不思議じゃない
混乱していて理解できないよ…
私の…行動が?
でも…私はどうすればいいの?
渡部くんの想いを諦めればいいの?
中原さんに譲ればいいの?
正直に……話す?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。