第10話

やっぱり私の妹は天才だ
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2020/05/17 06:52
今野 まひろ
正直に話す…って…話したらどうなるか七海わからないの?


もし渡部くんに話したら…

渡部 響
今野…お前嘘ついてたんだ
渡部 響
最低だな




『最低だな』


という言われるに決まってる。



そんなの嫌ぁぁぁぁ!!
今野 七海
そんなの最初からわかってるよ。
今野 七海
でもお姉ちゃん、よく考えなよ?
このまま「まひる」でいたって何も得はないよ?
今野 まひろ
それは…そうかもしれない…けど。


気分がさらに落ち込んでいく


すると『ピロン』と着信音が鳴った

渡部くん専用携帯だ。

画面を見ると
わたべ
わたべ
まひる!
わたべ
わたべ
お前、今度の日曜空いてるか?


とメールが。
今野 まひろ
日曜…

確か何もなかったはずだ。

まひる
まひる
空いてると思う!
わたべ
わたべ
じゃあさ何処か行かね?!



・ ・ ・
今野 まひろ
えぇぇぇぇぇぇぇ?!
今野 七海
な、何?渡部先輩なんだって?


私は七海に携帯を見せた
今野 七海
え、これって…デート?
今野 まひろ
七海ぃぃ!!それ言わないでぇぇぇ!!
今野 七海
うん。『デート』って言わない。
ところでお姉ちゃん返信しなよ
今野 まひろ
う、うん…!…じゃなくて!
これ『うん♡行く!』とか送るの?!
今野 まひろ
っていうか、そもそも『まひる』って実在しない人物じゃん!


よくよく考えたらそうだ。

せっかく誘ってくれたのに

行きたいけどこれじゃあ行けない…
今野 七海
ほらぁ偽名使うからこういうとき不便だ…

と言いながらスマホを奪い何かを打ち込む七海
今野 まひろ
え、七海、何してるの?!
「私は今野まひろです」って言っちゃった?!


バッと携帯を取り上げると
まひる
まひる
いいよ!私も行きたい!!


との文字が画面にうつる



……………………は?


すると渡部くんからやったぁ!というスタンプが送られてきた
今野 まひろ
七海…ついに君も…
今野 まひろ
単細胞の仲間入りか…?
今野 七海
はぁっ?!なんでお姉ちゃんの仲間にならなきゃいけないの?!

と七海はブチギレた


と思ったらハァ…とため息をつき


今野 七海
あーあ せっかくお姉ちゃんがデート行ける作戦 思いついたのに…
今野 七海
しょうがない。お姉ちゃんの仲間って言われたら「今野まひろです」っていうk…
今野 まひろ
ちょちょちょちょ!!


私は七海の言葉を遮った
今野 まひろ
七海…今「お姉ちゃんがデートに行ける作戦思いついた」って言った?!


その言葉聞き捨てにできないよ?!
今野 七海
うん。言った。けどお姉ちゃんにとって私は単細胞だもんね…。私の意見なんて当てにならないよ…


と拗ねたらしくゴロンと寝始めた
今野 まひろ
たっ…単細胞なんて嘘!!大嘘!
私の妹は自慢の天才ちゃんだよ!!
今野 まひろ
だからその作戦 くわしく教えてくださいっ!!
私は七海の体を揺する




すると七海はムクッと起き上がって
今野 七海
………もう単細胞なんて言うなよ?


と睨んだ


私は大きく頷く
今野 七海
今回で最後だからね!
今野 まひろ
はいっ!



そして七海は『渡部くんとデートに行ける作戦』を説明しだした














今野 まひろ
なるほど!!そういう手があったね!

一通り説明を聞くと想像以上の作戦法に私は感心した
今野 七海
でしょ?

そう言う七海の顔は少し楽しそうに見える



少し変なところもあるけど
やっぱり私の妹は天才らしい
今野 まひろ
よし、じゃあこれで頑張ってみる!


七海はコクンと頷く


デート作戦実行日は今週の日曜だ!

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