第16話

画面の向こうの私。
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2020/05/25 08:00
今野 まひろ
ば…馬鹿って…


七海の
今野 七海
お姉ちゃん単細胞だね

より酷くない…?!!


なんか好きな人に言われると尚更ショックだよ……




そんな事を思っていると


渡部くんは ハッ! とし
渡部 響
あ……ごめん。
今野が鈍くて無意識に馬鹿とか言っちゃった


と謝ってきた
む、無意識…?




無意識に…って怖くない?!←
今野 まひろ
確かに私は馬鹿だけどさ!←
告白した後に馬鹿って…
渡部 響
だってさ!今野 鈍すぎだろ…

と私の言葉を遮る渡部くん


その顔はいつも見る渡部くんとはなんていうか……





別人だった
渡部 響
俺が体育祭から「まひる」は今野だって分かってたのになんで何も言わずにトーク続けたり
渡部 響
2人で出かけに行こうって誘った理由もわからないのかよ?
ん…?言われてみればそうだ






もし気づいてたら確認するよね…?
うん。私だったらそうする


でも渡部くんは私と知った上でトークしたりデートに誘ってた…









ってことは…







今野 まひろ
え、え、え?!
今野 まひろ
え、もしかして…


彼の方を見る







渡部くんは少し照れた顔をして










渡部 響
俺も、今野のこと好きだ…ってこと……
今野 まひろ
う……そ…だ………
う そ だよね…?
渡部 響
いや、なんでここで嘘つかなきゃいけないんだよ?
今野 まひろ
え、なんで…?なんで私なの…?
中原さんのことが好きじゃないの…??
渡部 響
心は幼馴染としては好き。でも俺は、あの体育祭の言葉で今野のこと好きになった
渡部 響
「まひる」じゃない「まひろ」が俺は好きだ


…夢みたいな出来事に言葉が出てこない

脳内は嘘…嘘だ…とリピートされている
渡部 響
俺と…付き合ってよ.「まひろ」
と手を差し出される








渡部くんは…


私を泣かせる天才だね…
今野 まひろ
はい…っ…

私は彼の手を取る


すると渡部くんは
渡部 響
あ、そうだ

と思い出したかのようにスマホを取り出す
渡部 響
今度はさ、本当のアカウントで交換しよ?まひろ
今野 まひろ
………!!

私は笑顔で頷いた



















わたべ
わたべ
これからよろしくな
まひろ
まひろ
よろしくね!!






彼の画面の向こうには偽物の私はもういない。


本当の私が映しだされた。














end.。.:*☆

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