次の日
渡部くんと昨日のこと話すって決心はしたけど…
…教室の隅で3人仲良く話している
田邊くんはなんとかできそうだけど中原さんがいて話しかけられないな…
それにいつもに比べずっと一緒にいる気がするんですけど…
と思ってると後ろから日菜があーあと話しかけてきた
と悔しそうな顔をしている
うーんと2人で考えこむ
すると日菜はあ!そっか!と手を叩く
もう偽物の私とは渡部くんと向き合わないと昨日 決めたばかりだ
だから………
突然の言葉に
日菜は少し驚いた顔をして
ニコッとして私の背中をトンっと押した
日菜…ありがとう…
そう心の中で言って私は渡部くんたちの方に歩きだした
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
だんだん渡部くんたちの方に近づいていく
渡部くんと話すのは正直怖い。
何を言われるかわからないけど…
何も話さないで後悔だけはしたくないよ…
と呼ぶと3人が一気に私の方に振り向いた
渡部くんを見ると表情は昨日と同じく曇り始めていた
そして
と呟いた
やっぱり 私 嫌われちゃった…のかな
と思っていると中原さんが、私の方へ向かってきた
彼女の目はこの前の宣戦布告と同じような目つきをしている
でも…ここで…負けないよ
そう言うとはぁ?という中原さんの言葉が教室に響いた
言葉が出てこなくなる
中原さんは今にも泣きそうな顔をしている
私はその時七海が前に言っていたことを思い出した
…七海のいう通りだった
ずっと真剣に向き合ってきた中原さんの気持ちをいつの間にか私は踏み潰していたんだ
だったら私のすべき行動は…中原さんに渡部くんを譲ることなの?
………ううん。違う
私はふぅ…とひと息 はいて
と頭を下げる
と中原さんの目をまっすぐ見て言う
中原さんもじっと私を見た
そして…
と言い教室を出て行った
中原さん…本当にごめんね…
と急に出てきた日菜が渡部くんの隣にいた田邊くんの腕を引っ張って教室を出て行く
と悲鳴がここまで聞こえてくる
田邊くん大丈夫かな…笑
日菜だけでなく教室にいたみんなが気遣ってくれたのか気づけば教室には私と渡部くんの2人きりになっていた
やっと……この恋と決着をつける時がやってきた
私は口を開いた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!