your side
カツン カツン カツン カツン
パチンッ
お店の受付に来て、いつものように指を鳴らす。
owner「おお、立花様…、
わざわざ渋谷までありがとうございます。」
『いえ、オーナーのお呼出ですから、
渋谷まで来るくらい、なんて事ないです。』
owner「はは、そうですか、ありがとうございます笑」
『ところで、今日はどうしてお呼出が?』
owner「とある方からご指名が入っております。」
『とある方…?』
owner「わたくしも少々驚いているのですが…、
まあ、お行きになれば分かりますよ。
VIP roomでお待ちですよ、」
『そう、何時までのご指名で?』
owner「それが、、、
明日朝の7時まででして。」
『はい?』
owner「普通に飲んでお話する程度では無さそうですよ。
立花様を指名する時点で相当値が着くのに、
VIP roomで約10時間だなんて、、、」
『10時間も何をすれば良いのでしょうか…笑』
owner「さあ、、、
でも立花様、気をつけてください。
知っているかと思いますが、VIP roomには
バスルームとベッドルームがございますから。」
『ええ、そうね、私はお酒強いし、
大丈夫だとは思いますが、気をつけます。』
以前VIP roomでは、
ここのNo.2だった子が襲われたの。
その子はその恐怖からここを辞めてしまった。
VIP roomで朝まで、、、
かなり怪しい。
けど、この私が、
渋谷と歌舞伎町No.1である私が、
襲われる訳にはいかない。
どんなお客様がお待ちなのかしら?
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。