第3話

964
2019/05/21 12:08
翌日、目が覚めたら知らない所にいた。


─────という 偽造 フィクションのような展開は一切無く、いつものように自室のベッドの上で目が覚めた。
鳥羽 蛍
インチキじゃん‥‥
当選しなかった、というのは有り得ない。


「罪が重い程当選確率が高くなります。」

確かに、そう書いてあった。
私の罪は重いどころではない。

だから、当選しなかったという事は有り得ないのだ。


応募をしたらケータイの画面に《当選者は翌日発表致します》と出てきたのだ。

私が今いつも通りだということは、このサイトは悪質なインチキ野郎だ。
鳥羽 蛍
あーあ、何か損した気分
私は重い体を持ち上げて、朝の支度をした。






















鳥羽 蛍
行ってきまーす
学校に行くと言えば家の中からあの時のように「行ってらっしゃい」と返事が来る、そんな淡い希望はすぐに消えた。

もう馴れたはずなのに、まだ無意味な希望を抱いてしまう自分がいることが一層、苛立いらだたしくなる。
鳥羽 蛍
はぁ‥‥‥
溜息を吐きながら家のドアを閉めて鍵をする。


ここはマンションの四階で、マンションから出るには階段かエレベーターを使うしか無い。

あとは‥‥‥飛び降りるくらいだ。


一度試そうとしたけれど、隣のおばさんに止められた。

「死んではいけないよ」

おばさんはそう言った。
けれど、私はそう思わない。

死んではいけない、なんてルールがどこに存在するのだろうか。
死んだって良いじゃないか。

それで、救われるのなら。
鳥羽 蛍
今日はエレベーターで良いや
私はちょうど来た誰も乗っていないエレベーターに乗り込み、『1F』のボタンを押す。
すると、エレベーターは動き出した。

エレベーターはどんどん下へ降りて行く。
鳥羽 蛍
このまま‥‥‥
───────地獄へ行かないだろうか。
鳥羽 蛍
‥‥‥ないか
そんなくだらないことを考えていたら、ある異変に気が付いた。
鳥羽 蛍
『B120』‥‥‥‥!?
エレベーターの隅にあるモニターが異常だった。

B120‥‥B121‥‥B122‥‥B123‥‥‥‥

有り得ない地下の階まで凄い勢いで降りている。
鳥羽 蛍
どういうこと!?
私は流石に怖くなって、非常呼び出しボタンを押した。
けれど、何も反応がない。何度押しても反応がない。



───────地獄へ堕ちてみませんか?


背筋が凍る。






そしてモニターは『B444444444』で止まり、エレベーターは大きな衝撃と共に止まった。

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