私とリドルの2人は温室に来ていた
何故かと言うと………
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戻ろうと立ち上がろうとしたその時
身体が何かに引っ張られて、川に落ちた
水中で目の前を泳ぐのは、小さな魚……
もとい、小さな人魚のような……妖精のような…
目の前をくるくると泳いでいる
それに見とれる間もなく、
ゴボッ……と、肺の空気が一気に抜けた
思ったより深い………!
段々と底に引っ張られて行く
この感覚…………過去に同じことが……
次の瞬間には、息が出来なくなった
けど、不可抗力で上にあった手に、何かが触れた
それは水中ではとても温かいものだった
それに引き寄せられると、白い光が発生する
あの小さな人魚?は一目散に退散する様子が見えた
リドルは、地面に落ちている自分の上着を私の肩にかける
目線を合わせてしゃがみ、ふわりと抱き締めてくれる
背中を一定のリズムで優しくたたく
しばらくしてようやく意識がはっきりする
それと同時に力がふっと抜けた
リドルは、私を軽々と持ち上げると
風魔法で髪や服を乾かした
だからと言って、完全には乾かなかった
寮に戻る間も、"大丈夫だよ"とリドルは声をかけ続けてくれたのだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。