第110話

番外編〜トラウマ発生〜
5,521
2021/01/10 02:47
私とリドルの2人は温室に来ていた




何故かと言うと………


ディアクロウリー
ディアクロウリー
困りましたねぇ……ああ困りましたねぇ……!誰か話を聞いてくれませんかねえ!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
………学園長、何かありましたか?
ディアクロウリー
ディアクロウリー
これはこれは!
ローズハートくんにブロッドワーさん!いやあ助かりましたよ!
ディアクロウリー
ディアクロウリー
実はですね、温室の方で落書きやら魔法の痕跡やら……
あなた

はあ……

ディアクロウリー
ディアクロウリー
そこで!ハートの女王の厳格な精神に基づくハーツラビュルの寮長と副寮長のお2人に、様子を見に行って欲しいのです
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……分かりました
ディアクロウリー
ディアクロウリー
助かりますよほんとに!
━━━━━━━━━━━━━━━
あなた

校内で私闘した生徒がいるんですかね

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
それは分からないけど………
火のないところに煙は立たないからね
あなた

ですね

────
あなた

うーん……特に何もなさそうですけど…

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
魔法の痕跡も見られない……
あなた

(あれ……川…?)

あなた

リドル、あそこに川なんてありましたっけ?

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
西部方面の植物は川辺や水中になる物が多いから、少し前に作られたんだよ
あなた

そうなんですね

あなた

あ、見たことない魚もいる………

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あまり覗き込んでは危ないよ
あなた

はい、すぐ戻りま…

戻ろうと立ち上がろうとしたその時




身体が何かに引っ張られて、川に落ちた


リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あなた!!
水中で目の前を泳ぐのは、小さな魚……




もとい、小さな人魚のような……妖精のような…




目の前をくるくると泳いでいる




それに見とれる間もなく、




ゴボッ……と、肺の空気が一気に抜けた




思ったより深い………!




段々と底に引っ張られて行く




この感覚…………過去に同じことが……




次の瞬間には、息が出来なくなった




けど、不可抗力で上にあった手に、何かが触れた




それは水中ではとても温かいものだった




それに引き寄せられると、白い光が発生する




あの小さな人魚?は一目散に退散する様子が見えた


リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あなたっ…!大丈夫かい!?
あなた

はっ……はっ…

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
とりあえず……陸に上がろう
あなた

(息が苦しい……怖い…………!)

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
もう大丈夫だよあなた、
ほら、もう水の中じゃないから
リドルは、地面に落ちている自分の上着を私の肩にかける




目線を合わせてしゃがみ、ふわりと抱き締めてくれる




背中を一定のリズムで優しくたたく




しばらくしてようやく意識がはっきりする




それと同時に力がふっと抜けた


リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
おそらくさっきのは、
小型のメロウやセイレーンの類だね
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
魔法のイタズラも、さっきの人魚が学園に侵入して西部を再現した川に住み着いて行っていたのだろうね
あなた

そ……そうなん…ですね………

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……寮に戻ろう。
あなたのように、精霊の力を持つ女の子は狙われやすいからね
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
学園長に報告して、
対処を急いでもらおうか
あなた

コクコク

リドルは、私を軽々と持ち上げると




風魔法で髪や服を乾かした




だからと言って、完全には乾かなかった




寮に戻る間も、"大丈夫だよ"とリドルは声をかけ続けてくれたのだった

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