第38話

呪われた少女
13,083
2020/09/05 09:28
あなた

(うーん……結局1日、誰とも喋れてない…………というか……避けられてるような……)

あなた

(あっ………リドル寮長……!)

あなた

リドル寮長!

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
っ………今僕は忙しいんだ
後にしてくれないかい?
あなた

あのっ……!
私何かしたでしょうか?
今日ずっと避けられてるような気がして………

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……さぁ………
あなた

今反応が少し遅れましたよね?
何か隠してるんですか?

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
僕は………何も知らない
それに……僕は忙しいんだよ
あなた

っ…………

リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
悪いけど………もう……話しかけてこないで………
あなた

えっ…………

どうして………




昨日はあんなに楽しかったのに………




来年も文化祭を廻ろうって




約束したのに………




どうして突然………皆私を避けるの……?









言葉にならない思いが、胸に溢れてくる




それはやがて、涙となり零れる




誰もいない夜の廊下に、ぽたぽたと雫が落ちる




喉が詰まって、嗚咽すら出ない




その時だった




左半身に、今までないくらいの激痛が一瞬だけ走った
あなた

つぁッ………うっ……

ハーツラビュル寮生
ハーツラビュル寮生
でさ〜
ハーツラビュル寮生
ハーツラビュル寮生
あーわかるわ
ハーツラビュル寮生
ハーツラビュル寮生
うおっ……びっくりしたぁ…………
て…ブロッドワー………?
ハーツラビュル寮生
ハーツラビュル寮生
…………行こうぜ
ハーツラビュル寮生
ハーツラビュル寮生
あ……おう………
私は、いたたまれずその場を去った




そして、走り出した
シア
シア
あなたどこ行くなの?
あなた

ごめん……ひとりにして

シアにそれだけ告げて、寮の門を潜って




校舎のある庭まで辿り着いた




物音ひとつしない、静かな夜だ




寮をこんな時間に抜け出したなんてバレたら……




学園長に怒られちゃうなぁ……




私は息を切らしていた




フラフラとした足取りで、近くにあった噴水の縁に手を着く




すっと顔を上げて………絶句した
あなた

なに…………これ……

模様が、左の頬を埋めつくしていた




腕を見ると、手首を超えていた




魔法を使ってないのに、目に薔薇が浮かんでいて




ぼんやりと、光を放っている




なにこれ…………




気持ち悪い…………




気持ち悪い……気持ち悪い…気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い




こんなの………こんなの…………
あなた

いらない……………嫌い………!!

その時だった




私の中と外に、ガシャンと音がした




すると、1秒も立たない間に




模様は、左半身全体を埋めつくしていた




そのすぐ1秒後には




ものすごく吐き気と目眩、頭痛に襲われた





立っていられなくなって、しゃがみこむと




頭の中に声が流れてきた

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