第10話

夕立の記憶🥀
16,373
2022/08/12 09:59
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
わぁ……馬がたくさん…!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
当然だよ。馬術部だからね






近くにいた馬の頭を撫でる









温かくてふわふわしていた









すると馬は、少し湿った鼻先を頬に近づけた









(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
ふふっ、くすぐったい
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
この子はボクの馬なんだよ。
あなたによく懐いているね
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
私、何故か昔から動物には懐かれやすいんです
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
キミさえ良ければ、乗ってみるかい?
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
えっ……この馬に…ですか?
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
何か問題でも?
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
……実は………高い所が苦手で…
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ふーん……なるほど。
それなら、乗るのはやめておこうか
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
い、いや!乗ってみたいです!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
え?
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
その……飛行術の授業中に、ちょっと苦労してまして…
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……それなら、ボクも後ろに乗ろう
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ほら、あなた。
引っ張りあげてあげるから手を出して
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
は、はい!失礼します!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
そのまま……そこに足をかけて
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
(お、思ったより高い……!)
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
誰が乗せてるとお思いだい?
絶対に落としたりはしないさ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ほら、前を向いて、力を抜いて。
君が怖がっていては、馬も怖がる
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
がっ…頑張ります…!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ほら、身体の余計な力を抜くんだ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
それじゃ、軽く走るよ
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
えっ、あっ!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
さっきみたいに力を抜くんだ。
…ほら、前を見てごらん
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
………わぁ…!






目の前には、どこまでも続く夕焼けが見えた









彼方には水鳥が群れを成し、風が頬を擽った









見たことがないほど、美しい世界が広がっていた









リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ひとまず、乗馬場は一周したね
そろそろ戻るとしようか
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
………?
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
あの、寮長……今雨が…
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
本当だ……少し急ごう





やがて雨は大降りになった









全身が冷たくて、小さな刺激を無数に感じる









記憶の奥深くに眠る、あの夜と同じだった









あなた(幼少)
お父さん!お母さん!
あなた(幼少)
どこなの!
ドシャーン!!









けたたましい音と共に、近くに雷が落ちた









あなた(幼少)
きゃぁっ!!
メキメキ…バキッ
あなた(幼少)
(え……木が…………こっちに倒れて……)
ドサッ!

















リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あなた……あなた…
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あなた!
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
っ………!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
大丈夫かい?こんなに震えて……
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
だ…大丈夫です!
なんでもありません
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ボクに嘘が通じるとでも?
顔色が悪いし、震えてるし、呼吸も乱れてる
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ボクのもので申し訳ないけれど、
これを羽織るといい
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
ほんとに大丈夫ですから……!
寮長の身体も冷えてしまいますし…!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
他人より自分の心配を先にすることをおすすめするよ
ドシャーン!!









空が雷を落とした









その瞬間、馬が驚いて暴れだした









振り落とされることは無かったけれど、大きな衝撃が走った









リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
あなた、大丈夫かい!?
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
だっ……だいじょ…大丈夫です………!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
校舎に入ろう。
2人ともずぶ濡れだ
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
…は……はい…










ハーツラビュル寮────
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
お、おかえり〜!
外すっごい雨………て、2人ともめっちゃ濡れてんじゃん!!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
雨が降るなんて予想外だった……
タオルはあるかい?
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
ほら、2人ともこれで身体拭け
特にあなた……大丈夫か?
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
は…はい……平気…です
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
大丈夫じゃなさそうだな……
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
リドルくんの上着のお陰で、リドルくんよりかは濡れてないけど………
リドルくんより大丈夫じゃなさそうって感じ……
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
他の寮生は?
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
2人みたいに、びしょびしょになって帰ってきた
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
そうか……
突然こんな雨が降るなんて………
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
天気予報でもこんなこと言ってなかったのにね
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
とにかく、あなたは部屋へ
(なまえ)・ブロッドワー
あなた・ブロッドワー
はい……
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
オレが連れてくよ。
リドルくんも、シャワー浴びて着替えてきなよ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ああ、そうさせてもらおう
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
あなたちゃん、行こうか

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