第3話

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2019/02/11 12:07
俺は7歳の夏人生で初めての恋をした
月の明かりに照らされて
星に瞳をキラキラさせる
その少女から俺は目が離せなかった
声のかけ方もわからなかった俺は
変な偶然を装ってその子と話をした






あのまま病院に帰らせれば良かったのに







その子はずっと泣き続けていた
泣き終わってから俺に向かって
彼女は笑ったんだ。あんなにも
もろく儚い笑顔を俺は見たことがなかった。


すると突然
あなた

ウッ……ハァハァ…ッ

モトキ
モトキ
大丈夫?!
モトキ
モトキ
どうしたの?
急な発作だった
俺は必死に走った
彼女を背負って
すぐに病院に着いた
そのあと何日かして
俺はまた病院を訪ねた
彼女の名前も知らない俺は
病院のロビーまでしか入れなかった




































その後のことは何も知らない
俺が覚えてるのは
彼女の壊れそうな淡い笑顔と
溶けてしまいそうに静かな泣き声だけ

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