第8話

第1章ー3 コードネーム人喰い
42
2021/01/03 09:24
〜no視点〜
月のない夜、唯一の自然の光は星だけ
暗く暗く街も人も寝静まる時間
しかし、ある場所ではこの夜と不釣り合いな戦闘音が鳴り響いていた
この音の出どころはある少年の周りからだ
少年はこの世界では珍しい、夜よりも暗い漆黒の髪を紅く染め上げている
その様はまるで黒と赤の絵の具が混ざり合うようで、不快感があるのに不思議な美しさを感じさせる
そしてなによりも、少年の周りに一瞬で紅い花が咲くような錯覚を起こしてしまうほど少年の戦闘の様子は奇麗であった

阿鼻叫喚している者たちは気づかない
少年の正体に

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〜キノ視点〜
俺はいつもの挨拶をして塀から研究所内へ飛び降りた
正体がバレないように被っているフードが脱げない事を気にしながら
さっきの挨拶で全員がアホみたいに口を開けて俺を見ている
どう見ても殺してくれと言っているようにしか見えない
俺はすぐ近くにいた3人の人を愛用のナイフで殺した

ザシュッザクザク

すると、相手は仲間が3人殺られたことでやっと意識が戻ったのか、また阿鼻叫喚が始まる
「な、何者だ!!」
「侵入者!侵入者ー!!」
「ヒッ…く、来るなぁ…」
「お前、私達を誰だと思ってるんだ!!」
「助けて…助けて…」
キノ
キノ
ハハッ
あーあ、本当笑える
キノ
キノ
アハハハハハハ
「貴様!何を笑っている!」
さっきから恐怖で膝が震えているやつが声をかけてきた
そんなのに応える必要はないが…
俺は人を殺してまわりながら応えてやった
キノ
キノ
馬鹿らしい…ほんっとうに馬鹿らしい
キノ
キノ
俺は1週間もかけて準備したんだぞ?
キノ
キノ
それなのにこれって…
キノ
キノ
あーあ、もう笑うしかないよね
キノ
キノ
アハハハハ
そんなことを言いつつ俺はどんどん人を斬り伏せていく
温度のない冷徹な笑いと一緒に
そう、今回は本当に準備が大変だった
でも俺はそのくらいする価値があると思っていた




だけど、今の惨状を見ると素手で乗り込んだ方がまだ楽しかったと思う
手榴弾一つで混乱に陥り、1人殺すたび奴らは動かなくなっていく
恐怖で気を失ったり、命乞いをする奴まで…
期待はずれもいい所だ


まぁそれでも準備したからには作戦をやり遂げよう
そう思い俺はあえて中央広場への道だけを残す
奴らはその事に気づき我先にと中央広場へ駆け込む
それが罠だとも分からずに








やがて生きている人間は全員中央広場に集合した
こんなにも作戦がうまくいくとは…
つまらない
俺は最期に最高の顔を見せてくれと願うばかりだ
キノ
キノ
さぁ、第7研究所の皆様
逃げ道がなくなったなぁ?
キノ
キノ
晩餐会はもうお開きだ
キノ
キノ
つまらなかった…
俺がそう言うと殺戮はもう終わりだと勘違いしたのか奴らは途端に上から目線になった
「ふん、図に乗るのもここまでだ!」
「やはり所詮は子供」
「そうだ!アイツも研究対象モルモットにしよう!」
キノ
キノ
チッ…うるせぇな
そして俺は奴らへ終わりを告げる
キノ
キノ
勘違いしているようだが、お前たちは今から死ぬ
すると俺の言葉にさっきまで上から目線だった奴らの動きが止まり、青ざめはじめた
見ていて少しスカッとした
キノ
キノ
そうだな…冥土の土産に教えてやる
キノ
キノ
コードネーム「人喰い」
それが俺の名前だ!
正確には、仕事に使ってる名前だが
それを聞いた途端奴らの顔は絶望に染まっていった
「人喰い…だと?」
「嘘だ!そんなはずない!」
「あの、誰も生きて帰すことを赦さないと語られる殺し屋…?」
「違う!面白いモノにしか興味の無い悪魔だ!」
いや、どっちも俺だけど←


というのはさておき
キノ
キノ
さぁもう終わりだ
そう言った瞬間、世にも奇妙なことが起きた
俺の目の前にいた奴らが次々に不自然に倒れていくのだ
キノ
キノ
(これは一体…?)
奴らが全員倒れたと思ったら1人の包帯だらけの少年だけがそこにいた

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♧裏話♧
さぁさぁ、この時間がやってきたよ☆←こうやって習慣化させようとしている
今回の裏話はー?

デデデン!

キノについてでーす
キノは殺し屋だからあまり顔を見られるのは良くないためいつも着てる黒色のローブについてるフードを被って口だけが見えるようにしているよ!
そのフードを外せばなかなかの好青年だとか…殺し屋とは思えない可愛い顔だとか…めちゃくそでかい傷があるとか…実は爺ちゃんとか…
などいろいろ噂されてるよ!(要は作者のキャラデザが決まってないってことだね☆)
次回はなんかすごい( ˙-˙ )←語彙力

では!
読むのお疲れ様でした!ありがとうございました!

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