~7時~
空はすっかり暗くなりさらに人も増えた
~ななもり。seed~
~カステラの屋台~
俺はあなたちゃんを必死に探した
来た道を戻ったり、また行ったりして
もしかしたら誘拐されたんじゃないかとか
怖くて泣いてるかもしれないとか
心配でいっぱいだった
俺はひたすら周りを見渡しながら走った
ひたすら走った結果、俺は人が少ないところに来ていた
随分走ったのでこんなところにはいないだろうとその場を引き返そうとしていた
その時声が聞こえた
~あなたseed~
~数分前~
私は人が多い中なんとか避けてみんなが進んだであろう方向に歩いた
何分も歩いたり、走ったりし続けたがみんなの姿は見えなかった
周りは知らない人ばかりで同じ学校の人さえ見かけなかった
私は更に怖くなりその場から逃げ出したくなり、走って何度もみんなの名前を呼んでいた
走り続けると人が少ない川沿いの道に着いていた
私は疲れて迷惑にならないところに座り込んだ
座り込んで数分がたった時
私の名前を呼んでる声が聞こえた
声が聞こえた方を見ると…
人混みの中からなーくんが見えた
その時、嬉しくなってその場から立ち上がった
なーくんは安心した顔をしていた
そう言われた時ふとある事を思い出した
~転校してきた日~
~学校案内中~
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そうだ…ひなたがこんなこと言ってたな…
結ばれる…か
私はいつの間にかなーくんの浴衣の裾を引っ張っていた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。