「 廉くんカッコいいね! 」
「 好きです! 」
「 あんな彼氏欲しー 」
どこに行っても
そんなことばっか言われる。
ちょっとばかり、
調子に乗ってた。
高校でも、
1年の時は
クラスの女子だけに留まらず、
他のクラス、他校からも、
女子が(特にバレンタインの日に)
押し寄せてきた。
2年なっても、
相変わらず女子はみんな、
キャーキャー
言うてる。
なのに、
一人の女子は
反応すらしない。
座席表を見ると、
三島あなた
隣の席のやつだった。
『 一人ですがなにか? 』
挑発的な発言に
少しイラッとした。
が、
笑ってすらいない顔を、
美しいな
そう思った。
正直 ばりタイプで、
やばい。
気づいたら
イライラより
モヤモヤという
気持ちが増えた。
それが
好き
ってことに気づくのに、
時間はかからなかった。
絶対振り向かせたるわ。
◇.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。