『 さっむ、、 』
びちゃびちゃで、
風も冷たい。
『 、、くしゅっ、、 』
やばいいいいい。
『 誰か、、 』
くるわけないとおもいつつ、
一番に思いついた人は、
うざくって大っ嫌いな、
あいつ。
他には誰も、
浮かばなかった。
優斗でも、瑞稀くんでもなくて、
永瀬なんだ。
「 あなた!!どこにおるん!?
あなたーーー!! 」
遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。
うわー、幻聴かよ。
ついにここまで?笑
終わった。
だんだん、
まぶたが落ちてくる。
「 っ、、あなた! 」
『 ながせ、、? 』
「 そ。永瀬やで。
てかあなた冷たすぎ。
これ着とけ。 」
『 ありがと// 』
永瀬は自分の上着を被せてくれた。
人の温もりに愛しさを感じたのは
初めてで、くすぐったい。
鼓動のスピードが
早くなる。
『 なんで、いるの? 』
「 俺のために、
こんな森の中入ったんやろ 」
『 え 』
「 藤崎から聞いた。
みんな心配してたで。
特に、ふわり。
あと、
嫌やろうけど、、、
俺も、。 」
『 っ、、// 』
永瀬が見つけてくれた安心感と、
心配してくれたってことが
鼻の奥をツンとさせた。
「 ちょ、泣かんでや、、!
そんなに、いやなん?
俺のこと。 」
『 ちがっ、、
むしろ、良かった 』
「 そうやんな、、
え? 」
『 来てくれて、嬉しかった 』
「 なんやそれ、。
珍しく素直やん。 」
永瀬のその言葉で
素直になった自分が
急に恥ずかしくなった。
俯く。
沈黙が、
始まった。
◇.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!