黒板に貼られている
座席表を見る。
一番後ろ。
両隣とか前の席の人なんか、
正直どうでもよかった。
きゃっきゃきゃっきゃ
うるさい教室もどうでいい。
私には関係ない。
そうやって、
割り切る。
「 えっ、お前ぼっちなん!? 」
突然ぼっちとか
言ってきやがった
関西弁のやつ。
でも周りを見れば、
女子はみんな
誰かと一緒にいる。
一人なのは
私だけだった。
『 一人ですがなにか? 』
「 、、俺が友達になってやるよ。 」
なんで上から?
ムカつく。
「 聞こえとるんか?意識あるんか?もしかして聞く気ないん!? 」
まず名乗れ。
「 はぁー。俺永瀬廉な。隣やから。よろしゅーな。 」
こいつエスパー使えるとかある?
心の中で一人ツッコミを入れる。
聞こえてるけど、
聞こえないふり。
そうすればみーんな、
関心なくしてくれる。
こいつを除いては。
◇.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。