「 雨降ってきたから建物の方戻れー 」
あなたはまだ戻ってきてへん。
でも、かなり強めの雨が降り出した。
あ、建物の方戻ってたりするんかな。
案の定、戻ってきてるわけなくて
雨はより一層の激しさを増す。
「 っ、、ねぇ!あなたは!? 」(泣)
「 北陽、落ち着け。三島は戻ってくる 」
「 やだ、、
あなたが戻らなかったら? 」
ふわりは完全に取り乱してる。
涙の粒が、
次第に大きくなっている。
「 なぁ、廉。 」
「 じん、、
なんや? 」
「 もしかしたら愛美ってぶりっ子、あなたちゃんのことなんか知ってるかも 」
「 え、。なんで 」
「 さっき紫耀からあなたちゃんいない事聞いて、女子から事情聴取しててそれでさ、、
おい、!廉! 」
「 なぁ藤崎。 」
「 あ、なぁにぃ?廉くーん♡ 」
「 あなたのこと、なんかしらん? 」
「 えぇー♡
さっきも言ったじゃぁーん♡
愛美はぁ、
なーんも知らないよぉ?♡
あ!もしかしてぇ、、
愛美と話すためにそのはなしもってきたのぉー?♡
もーぉー、れんく
廉「 てんうっさいねんけど。 」
…え、、? 」
「 俺はお前なんかと話してる暇はないねん。
一刻も早く、あなたを見つけて、あなたを安心させなあかんねん!!
語尾に♡ついてるようなやつと話したいんとちゃうわ。
なぁ、知っとるんやろ?
お前がなんか言わな、あなたは、寒くて倒れとるかもしれないねんで!?
お前が言わんせいで、あなたが命の危機に陥るかもしれないねんで!?
自分、その事わかっとるん!? 」
ぶりっ子の語尾と
もしかしたら
死に関わるかもしれない
この状況への
無頓着すぎる態度に
ムカついた。
気がついた時には、
止められへんくなってた。
周りは驚いてる。
当のぶりっ子は、
泣きそう。
「 愛美ちゃん、知ってるの?あなたのこと。 」
「 この期に及んで無言はサイテーやで 」
ふわりと紫耀が、
ぶりっ子を問い詰める。
「 ごめん、、なさいっ泣
あなたちゃんに、
廉くんが森の中に入って言ったって嘘ついて、、、
そしたらあなたちゃん森の中に行っちゃって、、、
そっから、ほんとに知らない泣 」
「 俺のこと、
探すために、、、
アホなんあいつ 」
「「「 廉!! 」」」
周りの声なんかまるで聞こえてなくて
俺は森に向かって走り出した。
あなたが俺のために
森の中に入ったなら、
今度は俺が
あなたのために森に行く。
◇.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。