ソファに2人で寄り添っていると健人は私の肩に腕を回しながら、自分の鼻を私の頭に近づけてすうっと息を吸うようにそう言ってきたのだ。
髪の匂いを嗅いでいた筈の健人の鼻がだんだん下に降りてきて私の首元を鼻先でなぞるように優しく刺激する。
なんだかそれがくすぐったくって変な声が出てしまった。
やだやだ。これ以上されたら変な気分になってきちゃうよ。
いいの?そう問いかけると同時に健人の綺麗な指先が私の太ももへと移動し、つうっと円を描くように撫で回す。
今はそんな気分じゃない。
気分じゃない筈なのにショートパンツから出た私の太ももをいやらしく触る健人の指先に身体が疼いてしまう。
恥ずかしいのにもっと触ってと思ってしまうのだ。
そんなに感じた?
そう言いながら健人は太ももを触っていた指先をすっと私の下着の中に入れ込んで、既に潤っている秘部に直接刺激を与え始める。
ぴちゃ・・・ぐちゅっ
この静かな空間から聞こえる音は私の恥ずかしい場所から溢れる卑猥な音だけ。
ああ、もう頭がおかしくなりそう。
そう言って健人は自分のズボンと下着を同時に下ろし、熱くなった自身を取り出すと自身を上下に扱きながら空いた片方の手で私の下着を器用に剥ぎ取った。
にゅる・・・にゅる
私の秘部が露わになると健人は熱くなった自身を扱いていた手を止めて、健人の愛撫で勃起した私のクリトリスに自身の先端をこするように擦り付け始めたのだ。
余りの快感に余裕がないのか擦り付ける速度を速めながらどこか苦しげな顔をして私にそう聞いてくる。
私も私で今の行為が気持ちよくってもう何も考えられず、ただ今ある先の快感欲しい・・・ただそれだけだった。
出して。私が彼の耳元でそう呟くと
ぬちゃ・・・ぴちゃっ
ビユルルルルッー
ただ性器を擦り合わせているだけなのに挿入した時のような感覚になった私達は興奮がピークに達しお互い同時に達してしまった。
【前戯】end
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。