カツ、コツ、カツ、コツ…
美月は地下へと足を踏みいれる
床がコンクリートのせいかヒール音が響き渡る
コンコン
美月は031号室に着き、ノックをする
美蝶 (入って。)
ドアの奥からは美蝶の声
美月は少し恐怖心と緊張感を持つ
そして一息着き、ドアノブを下に下ろし、強く押す
ガチャ
美月はそっと目を前に向ける
美蝶は髪を靡かせ、風鈴のように静かな声でそう言う
美月は何を答えればいいのか分からず、無言になる
美蝶は少し暗い笑みでそう答える
美月は急な言葉に、え?と声を発する
それに構わず美蝶は美月の手を握り、個室から出る
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そして着いた所は外。
夜のせいか、風が強くて髪が靡く
美月は髪を耳に掛けてそう美蝶に問う
美蝶は空を見上げそう優しく聞く
美月は少しニコとして言う
美月はそう聞くと急すぎてびっくりしたのか(え)と声を出してしまう
美月と美蝶は近くにあったソファにしりを着く
そして話は始まる
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美蝶はシャンパンを飲みながらそう尋ねる
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美月は悲しげに言う
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美月は笑顔でそう言うが、その笑顔は少し寂しそうで
少し壊れそうな…
美蝶はそう、何かを言いたげにして立ち上がる
美蝶はもう話すことがないのか、美月に背を向け歩く
美蝶は離れた距離から美月に光る物を投げる
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美月は簪をぎゅっと握りそう美蝶に聞こえる声で言う
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!