私はリョーマの幼なじみで、ただ
それ以上でも、それ以下でもない関係で
お互いのとこを1番わかっている人って
思ってた
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学校
男の子(…やっぱ、そうだよね。)
男の子(夜桜…ホントお前って、優しいよな、)
男の子(お、ぁ、あぁ!サンキューな!!)
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教室(昼放課)
23人目…毎回、呼び出されては同じ言葉を聞く
好きです。好きだ。1番大好きです。それに対して私は同じ言葉を言う。ありがとう。嬉しい。ごめんなさい。こんな事しか答えられない自分が嫌いで仕方ない
そう思っていると……
何故か私を探していた女の子達は教室に入り、私の席の周りに集まる
美月は優しく尋ねる
女の子(美月ちゃんって好きな人とかいるの!?)
……まただ……………
私はその言葉に少し思い出てきた人がいた
女子全員(誰々!!!???)
女子(えッならリョーマ君じゃないんだね!?)
女子(てっきり私リョーマ君だと思ってた〜!)
女の子(だよね!全然違うじゃん!)
女の子(分かるッッテニス以外興味ないって感じ!)
女の子(でもあの冷たさにときめいちゃうんだよね!)
あれ…私リョーマの話だったんだけど…
だって私
リョーマほど熱い人、見た事ないよ…
テニス以外に興味がないって…
それって…他の事に目がいかなくて、他の事なんかどうでも良くなってしまうくらい
テニスが大大大好きって事でしょ
それに、1つのものをあれほど好きになれるって、
こんなに情熱がある人見た事ない
.
でも、私がおかしいのかな…
どうしよ
分からなくなってきた
そして、私は逃げた
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ここ、どこだっけ…ぁ、図書室だ
うすぐらい…この時間帯は誰も居ないから、かな
ちょっと休んどこ…
考えてしまう
だって、私が1番リョーマの近くにいて、誰よりも
背中を見てきたのに
また胸が痛いッ…口の中に苦味が広がるの
頭の中に響く声
蝕まれてしまいそうな大好きな声
私はリョーマに飛びつくように抱きついた
どうしよ…顔、見れない
見られたくない、
私は涙を堪えて耳元で言う
口が、言葉が止まらない
急なその言葉に、私は硬直した
そっか…
私はリョーマの言葉で甘さが溢れた
そうなんだ、私の思ってるリョーマが
リョーマなんだ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。