悩霾はズボンのポケットから5枚の写真を取り出す、
悩霾はそう思いながら、過去を思い出す、
ーーーーーーーーーーー過去ーーーーーーーーーーー
あれは……何年前だったかな…そうだ、3年前ぐらい
3年前、まだここが旅館ではなく、ただのボーボーの森だった時だ、
俺はずっとその昼でも薄暗い森の中で暮らしていた、
毎日暇な日々、何もすることもない、
だけど、
そんな何にもない毎日に、1人の女の子が暇を無くす
すると……
パキパキッパキバキバキ
奥の茂みの方で木の棒をふむような足音が聞こえた、
俺はその足音をターザンのように木をまたいで向かう
俺はバレないように、木に登り、座ってその子を上から見る
俺はずっと女の子を見ていると、女の子は手に持っている5枚の紙をじっと見る、
俺は上から見ているせいで、その女の子の表情が分からない、
そんな事を思っていると、女の子は思わぬ行動に出た
よく見ると、女の子は右手に木の棒を何本も持っている、
そしてその木の棒を足の前にバッとおき、ポケットからマッチを出した、
その子はマッチに火を付け、パッと投げると火がブォワッとつく、
そこに5枚の写真をポイッと捨てるような感じで燃え盛る火に入れた、
俺はその光景を見て見ぬ振りもできず、女の子に問いかける、
俺は木の上からそう問いかける、
女の子は俺を見る、
その目は、とても綺麗だったが、どこか遠い目だった
何も感じてない目、欲が無い目、満たされてない目、
だけど俺は、その目に、表情に、惚れてしまった、
女の子は幼い可愛い声で俺に問う、
俺は名を答えてから女の子に聞き返す
美月は表情を変えずに名前を言った、
美月は俺の名前を急に呼ぶ、
俺はそれにびっくりしたが、余りそのびっくりを表には出さなかった
俺はその問いに少し困る、
美月は下を向き、そうつぶやく、
俺はその美月の言葉に、は?となる、
俺は嬉しかった、
だって、ずっとわかって貰えなかったんだよ、誰にも
親にも愛されず、村の人には避けられて虐められて、
その後も餓死、で、俺、やっと死ねた、もう楽しい事が起きるってずっと思ってた、
たけど現実甘くなくてさ、その後も1人、何十年も何百年も、、
俺は怨念が強くて誰にでも見えるやつだ……けど、、
俺を見ても、皆はやっぱり何も分かってくれない、、
だけど……やっと分かってくれる人間が来てくれた、
て、、思ってさ、、そのときは俺も泣きそうだった、
美月は一言だけ、そう言ってサラサラとした髪を揺らして帰ろうとする、
俺はつい止めてしまった、だってもう会えない気がしたから、
美月は美月はその言葉に少しびっくりしていた、
だけど美月は俺に笑いかける、
もう1つの感情しかない、(愛、愛しい)、
それから俺は美月とお別れをした、
でも、俺は美月が何を考えてあの紙を燃やしていたのか気になった、
俺は残っていたちりちりで黒焦げになった紙を拾う、
そしてその紙をよみがえらせると、写真だった、
その写真は黒髪で誰もが思うイケメンだった、
俺はそのあと、ずっと考えたが、何も分からなかった
けど、それからは毎日が楽しみになっていった、
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。