第2話

CHAPTER 2 ❁
813
2019/09/16 11:35
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
こんにちはあなたちゃん。
調子はどう?
毎日のようにやってくる、この時間。
私は、この時間が結構好きだ。
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
いつも通りです。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
そっか。良かった。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
心臓の音、聞くね。
か、顔が、、近い、、
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
少し、速いみたいだけど、、
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
大丈夫???
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
だだ、大丈夫です、
私の心臓の音が速いのは、
先生の顔が近いからであって、
体に何か異常があるわけではない。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
今日は、誰か来るの?
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
いえ、来ないです。
小さい頃から持病のあった私は、学生生活をほぼ病院で過ごしてきた。
今までは、その病気を誤魔化し誤魔化しで生活してきたけど、
つい最近から体調が悪くなり始めてきて
ついこの間、余命宣告をされた。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
そっか。なら、俺と少しお話しようか。
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
はい。!
そう、学生生活のほぼ全てを病院で過ごしてきた私には、‘ 友 達 ’ と呼べる人がいない。
なので、病院にいる時はいつも、絵を書いているか、裁縫をしているか、だ。
ほんと、自分でも呆れていて、こんな暇を持て余しているのなら、早く死んでしまった方がいいのでは、とも考える。
親も仕事で忙しいし、基本、1人だ。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
じゃあさ、恋バナでもしようよ。
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
え、は、はい。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
今、恋してる人はいるの?
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
てか、彼氏持ちだったりして!?
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
いえいえそんな(笑)
彼氏もいないし、それどころか好きな人さえもいませんよ。(笑)
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
えー?あなたちゃんモテそうだけどなー。
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
そんなことないですよ(‪笑)
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
ってか、先生こそいないんですか?
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
彼女さんとか
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
いないいないー。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
なんかもう、仕事で精一杯で気づいたらこんな年齢になってたー、みたいな(笑)
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
学生の時は彼女欲しいとか思ってたけどなぁ、今はもういいや、って感じ(笑)
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
へぇ、、そうなんですね
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
うん。あなたちゃんは彼氏とか過去にいたの?
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
いないです。学校にほとんど行けていなかったから、
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
あ、ごめん!変なこと、聞いちゃったね
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
いえいえ、全然大丈夫ですよ(笑)
この先生は、少し、抜けているところがある(笑)
天然、っていうのかな。かわいい(笑)


トゥルルルルルルルルル


先生の電話が鳴った。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
はい、もしもし?
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
うん、今行く。
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
ごめんあなたちゃん。ちょっと呼ばれちゃった。また後で来るね。
土 屋 ○ ○
土 屋 ○ ○
はい!お話ありがとうございました!
平 野 紫 耀
平 野 紫 耀
いーえ。それじゃ、またあとでね。


バタン。



あー。先生行っちゃったらすることないや。
少し寝ようかな、、
窓から入ってくる日差しが心地良い。
そして窓の外を見ると、楽しそうに並んで歩く、学生カップルが1組。
あー、私もあういう学生生活送りたかったなー、
そんなことを考える今日この頃。
私はこの時、もうすでに先生に恋をしていたのかもしれない。

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