第58話

♯49
163
2021/08/12 13:13
星七ちゃんと私。


二人だけになった。


星七ちゃんが、最期に、私に掛けてくれる言葉。


心做しか、楽しみにしている自分がいた。
笹川星七
笹川星七
浅川……
浅川(なまえ)
浅川あなた
何?……
笹川星七
笹川星七
いや、ここは、あなた……
浅川(なまえ)
浅川あなた
ッ?!……
笹川星七
笹川星七
あなたのおかげて、楽しい人生が送れる。
浅川(なまえ)
浅川あなた
うん。
笹川星七
笹川星七
本当に……
浅川(なまえ)
浅川あなた
……
笹川星七
笹川星七
ありがとう。
浅川(なまえ)
浅川あなた
っ……
自分の嫌いな子。


そんな子に感謝の気持ちなんか、言われたくなかった。


だけど、何故か、今日だけは、嬉しい。
浅川(なまえ)
浅川あなた
どういたしまして……
笹川星七
笹川星七
っ!…
少し、驚いた表情を見せた。


それが、少し可愛くて……


守ってあげたい。



そんなふうに思えた。
笹川星七
笹川星七
それじゃあ……
奇跡的に助かった時は、笑顔で
浅川(なまえ)
浅川あなた
勿論……
逢えるかどうか分からないけど
笹川星七
笹川星七
またね
浅川(なまえ)
浅川あなた
またね……
こうして、別れを告げた私達。


意外と最後は、きっちりするところ……


笑顔にこだわるところ。


私達は、似てないようで、似ている。

プリ小説オーディオドラマ