雲ひとつない晴天の日。
ブラックオニキスの4人は、大きなショッピングモールを訪れていた。
最初に訪れたのは可愛らしい洋服が並ぶブティック。
お仕置きという名目でのデートのため、織姫を好きに着せ替えできるということで、乃依のテンションは普段の倍以上高い。
色とりどりな洋服をたくさん抱えた乃依に連れられ、織姫が更衣室に消えたところで、帝こと朝日は乃依に声をかけた。
3人が話で盛り上がっていると更衣室のカーテンが開き、織姫が出てくる。
彼女がきているのは、着ていた黒いワンピースから一転、肩出し白のキャミソールと、水色のワイトデニムの組み合わせ。
可愛さを保ちつつも、上品なこのコーデは確かに織姫の魅力を引き上げていた。
そう言った織姫がどこか楽しそうに、レジの方へ歩いていくのを見送りながら、乃依は顔をあからめた。
元々着ていた黒いワンピースを入れているのだろう、大きな袋を抱えた織姫が戻ってくる。
そう言った乃依が織姫の手を掴んだその時、その反対側にあった大きな袋の重みが消えた。
驚いた織姫がそちらの方を見やると、袋を持った雷と目が合う。
結局、織姫は小一時間ほど袋を取り返そうとしていたが、多勢に無勢。
半ば強引に押し切られる形で、袋は雷の元に止まることになった。
ようやく進み出した一行。
朝日を先頭にして、乃依と織姫、雷と続いていく。
乃依の指示通りに道を曲がっていくと、見えたのは宝石のアクセサリーショップだった。
そう言って、鼻歌を歌いながら店へと入っていく乃依。
当然、乃依に腕を引かれている織姫も一緒に来店することとなった。
乃依が店長らしき人と店の奥に入っていくのを見届けた織姫は、そっと店内を見回した。
さすが、宝石のアクセサリーショップ。
宝石が使われたアクセサリーが所狭しと並べられている。
織姫はその中の一つ、ショーケースに包まれた二つのネックレスに視線を落とした。
さして興味がないのか、織姫はすぐに視線をショーケースへと戻した。
そこにあるのは、赤色の水晶のような石が嵌め込まれたペンダントと、それの青色バージョン。
どちらも照明の光を跳ね返して、美しく光り輝いている。
急に背後からかけられた声に慌てて後ろを振り返ると、そこには店員が立っていた。
頭を下げた店員がショーケースを開けると、青色の石が嵌め込まれた方のペンダントを取り出した。
自なさげにそう言った織姫は、自分の胸の上で輝く青色の石をじっと見つめた後、恐る恐る店員に尋ねた。
どこか楽しそうにそう言った店員はすぐに赤い石のペンダントを織姫に手渡した。
織姫は綺麗な顔立ちをしているため、どちらの色のペンダントでも綺麗だが、青色の方がその美しさが際立っていたような気がする。
それを聞いた織姫は意を決したように、店員に笑いかけた。
店員は織姫が赤い方のペンダントを選んだことにまだ納得がいっていない様子ではあったが、すぐレジの対応を始めた。
その後ろで一人残された雷が、別の店員に声をかける。
その店員が頭を下げたところを確認した雷は、織姫の様子を伺う。
どうやら店の奥から戻ってきたらしい乃依と一緒に、レジ前で店員と話し込んでいるようだ。
この分だと、戻ってくるまでもう少しかかるだろう。
ようやく終わったららしいそれを、雷はポケットに入れた。
それとほぼ同時に織姫たちが戻ってくる。
そういうことは過去にも何度かあったのか、仕方がなさそうにため息をついた乃依に連れられ、織姫たちは店を後にした。
出たところにあるソファーでは、すっかり疲れ切った様子の朝日が座っている。
朝日は織姫たちの顔を見るなり、安心したように顔を緩めた。
何かを言いかけた朝日を押し除けるように、雷がその前に立つ。
その手には、先ほどの話題にも出ていた青い石が嵌め込まれたペンダントがあった。
どうやら、雷が渡さなかったら朝日が買ってくるつもりだったらしい。
そのことに若干苦笑しながら、織姫はそれを受け取った。
手の中でキラキラと光を放つペンダントを見た織姫は、今日1番の笑みを浮かべた。
いつものような上品な笑みとは少しだけ違う。
心から笑っているような、眩しい年相応の笑顔に、3人は一瞬言葉を忘れた。
この時、なんてことないような顔をしている雷の耳が、先ほどの乃依と同じくらい赤くなっていたことは、気づかなかったことにしよう。
読者と雷だけの秘密だ。
今回の話も読んでいただき、ありがとうございます!
⭐️や🩷がたくさんついていて、とても嬉しいです!
次の話は、乃依と帝メイン?の話になる予定です
今回の続きですので、デート回になりますね
次の話は新しい⭐️か🩷がそれぞれ15個付いたら、投稿します!
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。