それから、4人はさまざまなところを見て回った。
本屋にゲームセンター、カバン屋などなど。
そろそろ、どこかの飲食店かフードコートに入って休憩しようという話をしていた時。
そう言って、雷と乃依がトイレの中に消えていった。。
このまま移動してしまうと、離れ離れの迷子になる可能性が高かったため、朝日と織姫はトイレの近くにあったソファーに座った
そう言って笑った織姫が、手の中にある赤い石のついたペンダントを見下ろす。
その様子はどこ悲しそうで、それでいてどこか儚い。
目を離せば、ふっとどこかに消えてしまいそうな雰囲気を醸し出す織姫に、朝日が手を伸ばしかけたその時。
二人の間に、無機質な音が響き渡った。
痛いところをつかれた、と言わんばかりに顔を顰める織姫を見ながら、ニコッと意地の悪い笑みを浮かべた朝日は、人混みの中に消えていった。
残された織姫は、再び赤色の石がついたペンダントに視線を落とす。
男たちのうちの一人が、ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべたまま、織姫の隣に座った。
もちろん、もう一人の男も空いていた反対どなりに腰を下ろす。
口早にそう言った織姫が立ちあがろうとすると、腕を掴まれて引き戻される。
急にその場に響き渡った、地獄の底から響いてきそうな恐ろしい声。
その声の主である朝日の登場に男たちは震え上がり、織姫は顔を輝かせた。
にっこりとどこか貼り付けたような笑みを浮かべた朝日は、織姫に手を伸ばした。
織姫が朝日の手を取って立ちあがろうとしたその時、男たちのうちの一人が織姫の肩を掴もうとした。
その瞬間、低い声があたりに響き渡る。
それと同時に優しく抱きしめられ、耳をふさがれた織姫が困惑したような声をあげる。
しかし、見上げた朝日の顔が今まで見たことがないくらい、恐ろしいものであることに気付き、静かに口をつぐんだ。
次の瞬間、彼らの悲鳴がフロア中に響き渡ったのはいうまでもない。
その悲鳴を聞いて、トイレに行っていた乃依や雷もトイレから戻ってきた。
床に崩れ落ちて、ブルブルと情けなく震えている男たちの方を馬鹿にしたように見た乃依は、織姫の元に近づく。
右腕を乃依に、左腕を雷に取られた織姫は困惑しながらも、その場から離れていった。
そばに控えていた鬼たちが、そして自身のリーダーが、恐ろしい顔をしていることには気付かずに。
帝によるナンパ男撃退の後、4人は食事をしようとイタリア料理のお店に入っていた。
お昼の時間より少し遅いということもあり、周りに他の客の姿はない。
さらに、比較的に外から見えにくい位置のテーブルに通されたため、話に花がさく。
当たり前のように織姫の隣をゲットした乃依が、織姫の腕に甘えるように寄りかかる。
そう言った雷が、手元に置かれた呼び出しボタンを押してみれば、すぐに店員が飛んできた。
朝日が代表して注文すれば、店員は頭を下げて厨房の方へと消えていく。
首から下げた赤色のペンダントの石を軽く握ったまま、言葉を続ける織姫。
一瞬だけテーブルが暗い雰囲気に包まれるが、すぐに空気を変えるように織姫が明るい声を上げた。
みなさんのおかげですかね、と少しだけ恥ずかしそうに笑った織姫に、3人はほっと息をついた。
そんなこんなしていると、注文していた料理が次々と運ばれて来た。
織姫と朝日が頼んだグラタンに、乃依のピザ、そして雷のパスタ。
どれも出来立てなのか、ほかほかと白い湯気を立てている。
織姫と朝日が手を合わせると、先ほどまで喧嘩していた二人も慌てて手を合わせて食べ始めた。
楽しそうに笑った織姫は、何か考え込むように運ばれて来たグラタンを眺める。
運ばれて少し時間が経ったため、そこからは湯気なんて出ていなかった。
そう言った織姫が、グラタンをスプーンで掬い口元へと運ぶ。
次の瞬間、その顔が華やかに綻んだ。
少し拗ねたように唇を尖らせた乃依の前に突き出されたのは、グラタンが乗ったスプーン。
あまりに突然のことに、乃依の体が固まった。
それに気づいていないのか、差し出した張本人である織姫は不思議そうに首を傾げている。
頭で制できなくなった乃依が助けを求めるように、朝日たちの方を向くと、ニヤニヤ笑っている二人と目が合う。
不安そうに眉を下げる織姫の手を掴み、覚悟を決めた乃依はそのスプーンを口に入れた。
前から間接キスだの、ラブラブだのるような言葉が聞こえてくるが、それらは全部無視することにする。
興味津々とでもいいたげな雷の声に、織姫がグラタンの乗ったスプーンを雷に向けて差し出そうとしたその時。
そのグラタンは隣にいた男によって、食べられてしまった。
その男は、口の端についたグラタンを舐め取り、織姫の腕に擦り寄る。
勢いに押し切られるようにして、頷いた織姫。
それを見て、どこか優しい笑顔を浮かべた乃依はピザを一切れ取って、織姫の口元に近づけた。
イマイチ、織姫は乃依が何を言っているのかよくわかってはいなさそうったが、穏やかな笑顔でそれを了承した。
その様子を、乃依が愛おしそうな目で見ていることに気づくこともなく。
これでデートシーンは終わりです!
今回もたくさんの⭐️と🩷ありがとうございました!
ここで、一つ皆さんに宣伝をさせていただきます
実は、私が可愛がっている妹分の雨依が新しい小説を投稿したんです!
面白い作品なので、是非みに行ってみてください!
そう、実は雨依が書いている「契約と約束の違い」は、あんスタと呪術廻戦のクロスオーバーなのですが、主人公(風)が、あんスタキャラを嫌っている描写があります!
地雷の方は、閲覧をお控えください
約束ごと
皆さんは、約束を破ったことがありますか?
約束なんて破ったことないよ~、って考えた方、要注意です。
「約束」という言葉を聞けば、多くの人が思い浮かべるのは「ゆびきりげんまん」を介して行った約束でしょう。
そうやって、互いが同意し何かを介した上の「約束事」であれば、それを破った人はなかなかいないのかもしれません。
しかし、考えてみてください。
例えば、AさんとBさんが帰り道で別れることになった時、皆さんならなんて言いますか?
きっと、多くの人々がこういうと思います。
「また明日」もしくは「またね」と。
これは、「また明日会いましょう」もしくは「また会いましょう」という意味を持った言葉です。
これを聞いた誰もが、これはただの挨拶であって、約束ではないと思うでしょう。
しかし、これだって立派な約束です。
これらの言葉だって、「また会う」という一種の契約を結ぶ言葉なのですから。
・・・さぁ、もう一度同じことを聞きましょう。
あなたは約束を破ったことはありますか?
あ、えーっとよ、よろしくお願いします!
注意⚠️
この交換宣伝は、雨依にもちゃんと許可をとっているので、ご了承ください。
なお、雨依の方でも織姫が宣伝をしていますが、それは許可を出してから行っていることですので、ご理解のほどよろしくお願いします
次の話は
⭐️が78
🩷が15
個を超えたら投稿します!
雨依の話もぜひ覗きに行ってみてください!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!