第14話

不穏
482
2026/04/25 12:00 更新
ヤチヨ・リュンヌ、かぐや・彩葉のライブ前日。
かぐやたちの家には織姫が訪れていた。
とても大きな花束を持って。
織姫(現実)
ついに明日ですね。
頑張ってくださいな。
これ、どうぞ
酒寄彩葉
わっ・・・すっごいお花・・・
織姫(現実)
新居祝いの分も入っていますので。
ふふっ、それにしても。
まさか、彩葉さんたちとお隣さんになるとは思っていませんでした
かぐや(現実)
えっへん!
かぐやたち、すごいでしよ!!
織姫(現実)
えぇ。
よく頑張りましたね
にっこりと微笑んだ織姫がかぐやの頭を撫でてやれば、
その胸で赤い石が揺れた。
かぐや(現実)
あれ!?
織姫、そんなことしてたっけ・・・?
でも、キレー!!!
酒寄彩葉
ほんとだ。
綺麗・・・
かぐや(現実)
誰かからもらったの?
織姫(現実)
いえ。
自分で買ったのですよ
酒寄彩葉
へぇ・・・織姫がそういうの買うのって、新解釈かも
織姫(現実)
ふふっ
彩葉の言葉に優しい笑みを浮かべた織姫は、大切そうにそれを握りしめた。
それだけでも、織姫がどれだけそれを大切にしているのかがよくわかる。
だが、それにはいささか疑問が残る色をしていた。
まるで、似合わない色を無理矢理つけているかのような・・・。
かぐや(現実)
でも、なんで赤色なの一?
織姫の目は青いんだから、青の方が似合うと思うよー?
酒寄彩葉
かぐやっ!!!
織姫(現実)
・・・やはり、似合いませんかね?
酒寄彩葉
いや、そんなことは
織姫(現実)
大丈夫ですよ。
定員の方からも言われましたから。
「青の方が似合うのに」と
かぐや(現実)
なら、なんで赤にしたのー!?
酒寄彩葉
青がなかったとか?
織姫(現実)
それはですね・・・
かぐやと彩葉の問いに、織姫は静かに首を振った。
その後、流れるように唇に人差し指を当ててウィンクする。
そして。
織姫(現実)
内緒です
どこかいたずらっ子のような声を出した織姫。
かぐや(現実)
うわぁ・・・織姫かわいいっつ!!!!!
酒寄彩葉
やばっ・・・!
普段は見せない新しい一面に、かぐやは織姫に飛びついて、抱きしめているし、彩葉は彩葉で感動しているのか、涙を流している。
それを見た織姫は、一瞬だけどこか寂しそうに目を伏せた。
それは一部のことだったため、かぐやたちは気づくことはなかったのだが。
織姫(現実)
そんなことより、明日のライブ頑張ってくださいね
かぐや(現実)
もっちろん!
織姫もきてくれるんでしょ!?
織姫(現実)
えぇ、もちろん。
チケットもいただきましたし
酒寄彩葉
お兄ちゃんたちと来るの?
織姫(現実)
いえ、お誘いはいただいたのですが。
あいにく先約がありましたので
酒寄彩葉
先約?
織姫の言葉に、かぐやは首を傾げた。
他のブラックオニキスメンバーと違い、ヤチヨ・リュンヌやかぐや以外とはあまりコラボしない織姫に、友達がいるとは思えなかったのだ。
かぐや(現実)
・・・あれ?
織姫(現実)
かぐやさん、何か失礼なこと考えていませんか?
かぐや(現実)
そんなことないから!
ほっぺ離して!!!!
織姫(現実)
だと良いのですが
そういった織姫は、にっこりと微笑みながらかぐやのほっぺを解放した。
織姫(現実)
では、本日はこれで
かぐや(現実)
え?
もっとお話ししよーよー!!
なんなら、ご飯も一緒に・・・
織姫(現実)
ふむ、ちなみにメニューはなんなのですか?
酒寄彩葉
今日はかぐやが麺からパスタを作ったの。
とってもおいしいよ?
織姫(現実)
麺から・・・それは、美味しそうですね。
ですが、すみません。
お誘いは嬉しいのですが、まだ仕事が残っておりますので
かぐや(現実)
仕事?
なんの?
織姫(現実)
ブラックオニキスに関するものですよ
酒寄彩葉
さすが大人気ライバー・・・
織姫(現実)
ふふっ、かぐやさん、彩葉さんも十分人気ライバーではありませんか
おだやな笑顔を浮かべた織姫は、どこか不満そうな顔をしているかぐやの頭を無でた。
その手があまりにも優しくて、暖かくて。
まるで、お姉ちゃんのようだ。
そんなことをぼんやりと考えていると、かぐやの頭から織姫の手が離れた。
織姫(現実)
明日のライブ、頑張ってくださいね
かぐや(現実)
うん!!
でも、ライブの曲、めっちゃむずいんだが・・・。
ヤチヨとリュンヌめーー!!
自分たちがAIだからってー!!!
織姫(現実)
かぐやさんたちなら、大丈夫ですよ。
彩葉さんも頑張ってくださいね?
酒寄彩葉
う、うん・・・。
でも、私は緊張しすぎでご飯食べれんのよ・・・
織姫(現実)
なるほど、ですから私を食事に誘ったのですね?
少し、でもパスタを減らすために
酒寄彩葉
うっ・・・
図星だったのか、少しばつの悪そうな顔をする彩葉。
織姫はそんな彩葉の頭を少しだけ撫でてやった。
そして、織姫はにっこりと微笑む。
織姫(現実)
ふふっ、少しでも頼ってくださるようになって、暮しい限りですが、ちゃんと食べてくださいね?
酒寄彩葉
わかってる・・・。
でも、かぐやがいっぱい作るんだもん・・・
かぐや(現実)
彩葉が食べてないだけだもん!!!
酒寄彩葉
あんなにいっぱい食べられる訳ないでしょ!!
なぜか、言い合いを始めてしまった彩葉とかぐや。
でも言い合っているはずなのに、どこか楽しそうで。
織姫はその様子を見て、安心したような穏やかな笑みを浮かべた。
織姫(現実)
喧嘩するほど仲がいい、というのはまさにこのことですね。
・・・かぐやさん
かぐや(現実)
なにー?
織姫(現実)
明日の約束、忘れないでくださいね?
かぐや(現実)
明日・・・?
酒寄彩葉
ほら、織姫がライブ終わった後に会いたいって、いってたでしょ?
かぐや(現実)
あぁ!!
でもそれ、今じゃダメなの?
かぐやの問いに、織姫は静かに目を伏せた。
その姿は相変わらず美しくも儚い。
だがこの、その一方で・・・。
まるで死にかけの蝶のような、短い命を必死に輝かせている蝉のような。
なんとも言えない危うさを孕んでいる。
思わず、かぐやと彩葉も一瞬呼吸をすることを忘れてしまった。
織姫(現実)
・・・ダメですよ。
そんなことより、明日のライブ。
しっかりと楽しんでくださいね
中途半端に開いたドアの外から覗く、月の光を背にした織姫。
かぐや(現実)
・・・
酒寄彩葉
・・・
儚げで、優しげで、それでいて悲しそうで。
あまりの美しさに、目が反らせない。
頭がぼーっとして、何も考えられなくなった彩葉とかぐやが意識を取り戻したのは、ドアが閉まってから数秒経った後だった。
ハッとした二人は、顔を見合わせる。
かぐや(現実)
い、今の・・・
酒寄彩葉
うん・・・なんか、夢、みたいだった・・・
かぐや(現実)
なんか、かぐやよりも織姫の方がかぐや姫っぽいよ!?
酒寄彩葉
もしかして、お迎えに来るのって織姫の方なんじゃ・・・
かぐや(現実)
えー?
でも、かぐや。
あんな綺麗な子、月で見たことないんだけど・・・
酒寄彩葉
かぐやが忘れてるだけじゃないのー?
かぐや(現実)
そんな訳ないじゃん!
酒寄彩葉
どーだか。
さ、寝よ寝よ
かぐや(現実)
彩葉!
一緒に寝よ!!!
酒寄彩葉
そんなこと言って、この前も一緒に寝たじゃん
かぐや(現実)
いいから、いいから~
笑顔のかぐやが彩葉の背中を押して、寝室へと入っていく。
その様子を、ドアの向こう側から見られていることには、気づかずに。
かぐやと彩葉、そして織姫が住むマンションの前に立つ高層ビル。

月の光が、まるでスポットライトのように男を照らす。
その顔は気味が悪いくらい醜く歪んでいた。
その最上階で足を組むのは、一人の男。
男は丸めた手の間から、かぐやと彩葉の部屋を眺めていたが、飽きたのかため息をついて立ち上がった。
まーさか、あいつがこんなところにいるとはなぁ〜www
しかも、あんなものまで釣れるとは
「ヘケケ」と独特な笑みを浮かべた男は、月を見上げた。
その後ろで静かにドアが開く。
現れたのは、頭に神輿を担いだ淡く発光している白い人。
人と呼べるのかも微妙なその存在は、無言で気だるげに足を組む跪いた。
さぁ、いくぞ。
姫様を回収する。
準備にかかれ!!!
・・・ヨロシイノデスカ?
ん?
何がだ?
824サマカラハ、マダタイキノメイレイヲウケテイマスガ
くはっw
お前、そんなものを俺が気にするとでも思っているのか?
イイエ
ははっ、あいつにまさかあんな落とし所があったとは思わなかったわw
ほーんと。
・・・さっさと潰れてくれないかなぁwww
月の光が、まるでスポットライトのように男を照らす。
その顔は気味が悪いくらい醜く歪んでいた。
今回の話も読んで頂きありがとうございます!!!

今回の話の最後に出てきた人と呼ぶには奇妙なもの、これが誰なのか、わかります?

わかりますよね?

多分みなさんが考えているので、合ってると思います!


さぁ、これからどうなりますかね!?





さてさて。

今回もAkariさん、スポットライトありがとうございます

他の方も長い間、この話の続きを楽しみにしてくださり、ありがとうございます!!!!

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