ヤチヨ、リュンヌ、かぐや、彩葉のライブ当日。
4人は煌びやかなステージの上で、精一杯のパフォーマンスをしていた。
かぐやとヤチヨが歌って、彩葉が演奏、そしてその3人の間を縫うようにリュンヌが踊る。
ツクヨミの歌姫と舞姫、そして超新星大人気ライバーの魅せるライブは、とても魅力的なものだった。
その証拠に、会場に集まった人たちは、みんな彼女たちのパフォーマンスを見て、笑顔になっている。
ただ、一人の少女を除いて。
会場に集まった人たちが、みんな4人のパフォーマンスに魅せられていると言うのに、彼女だけはどこか歪な雰囲気を身に纏っていた。
会場の熱気にしそうに目を細めながら、ステージの方を見やる水色の髪の少女。
彼女の手には、赤色の石がついたネックレスが握られている。
周りは全員笑顔になっているなか、彼女だけはどこか悲しそうな表情をしていた。
気がつけば一曲が終わり、二曲目に入っていた。
もう、ライブの残り時間も僅かなのだろう。
ステージの方を見ていた少女は、ウィンドウを開いて時間を確認した。
そして何かに祈るように、ネックレスを見つめる少女。
その後ろから、一人の男が顔を覗かせた。
大声で笑った男は、少女の隣の席に腰を下ろし、ステージの方を見やった。
ステージの方では、4人がこれでもかと楽しそうにライブをしている。
かぐやが少しふざけて、ヤチヨがそれに乗っかって、彩葉とリュンヌがそんな二人を見て、呆れつつも楽しそうに笑う。
そんなサイクルが出来上がっていた。
それを見た少女は、寂しそうに青色と黄色の目を伏せる。
不快そうな視線を向ける少女の視線から逃れるように、男はステージに目を向ける。
そこでは、少女の言う姫様が弾けんばかりの笑顔を浮かべていた。
不快そうに顔を歪ませた少女の首元に、ナイフが突きつけられた。
突然の部下の行動に、少女の喉が音を立てる。
男の言葉に、何か思いたることでもあったのか、少女の目が大きく見開かれる。
それを見た男は、その懐から小さな小瓶を取り出した。
ニヤリと、不気味すぎる笑みを浮かべながら。
その後ろでステージの上に立ったかぐやが、彩葉に声をかける。
マイクに乗って、流れてきた二人の会話に男は少女の方を見て、唇の端を上げた。
少女の止める声も虚しく、男は表示させたウィンドウの上で輝いているボタンを押した。
その瞬間、ステージをのぞいた会場全体が暗くなり、巨大なウィンドウが現れる。
そこに映っているのは、とても大きな満月。
あまりにも異様な光景に、会場に集まった人々は首を傾げた。
愉快そうに笑った男が静かにウィンドウに映った満月を、撃ち抜く。
その時、少女の隣に座っていた観客の一人が、頭にお神輿を被って白く光る、人ならざるものに変化した。
さらにその隣でも、同じように人ならざるものに変化する人の姿が。
あっという間に、ライブ会場に集まった人の多くが人ならざるものに姿を変えてしまった。
顔に青筋を浮かべた少女が、その背中から剣を取り出し、構えようとする。
しかし、それよりも先に少女の前に男の手に握られていた小瓶を近づけられた。
そこに溜まっているのは、少女の握っているネックレスに繋がれた赤色の石と同じ、血のように真っ赤な液体。
それを見た少女は、歯痒そうな顔で動きを止める。
悔しそうに少女が唇を噛む。
その時、ステージ上にいたヤチヨらを襲い掛かろうとしていたはずの、人ならざるものが客席の方までふっ飛んできた。
驚きで、少女と男が目を大きく見開きステージの方を見やる。
そこには、放心したかぐやと介抱する彩葉、そしてこの世のものとは思えないほど綺麗な笑顔を浮かべたヤチヨ、リュンヌが立っていた。
今回の話も読んでいただきありがとうございます!
ずっとお待たせして、すみません
Akariさん、いつもいつもスポットライトありがとうございます♪
他の方も、コメントめっちゃくれてありがとうございます
コメントは気づいたら返信しているので、どんどんください!!!
この話に関係するものでも、しないものでもなんでも構いません!
気づいたら返信します
次の話も楽しみにしててくださいな〜












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。