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第15話

危険
473
2026/05/04 11:00 更新
ヤチヨ、リュンヌ、かぐや、彩葉のライブ当日。
4人は煌びやかなステージの上で、精一杯のパフォーマンスをしていた。
かぐや
『世界で一番お姫様
気がついてねえねえ
待たせるなんて論外よ』
ヤチヨ
『私を誰だと思ってるの?
もうなんだか甘いものが食べたい!』
かぐやとヤチヨが歌って、彩葉が演奏、そしてその3人の間を縫うようにリュンヌが踊る。
ツクヨミの歌姫と舞姫、そして超新星大人気ライバーの魅せるライブは、とても魅力的なものだった。
その証拠に、会場に集まった人たちは、みんな彼女たちのパフォーマンスを見て、笑顔になっている。
ただ、一人の少女を除いて。
・・・
会場に集まった人たちが、みんな4人のパフォーマンスに魅せられていると言うのに、彼女だけはどこか歪な雰囲気を身に纏っていた。
会場の熱気にしそうに目を細めながら、ステージの方を見やる水色の髪の少女。
彼女の手には、赤色の石がついたネックレスが握られている。
周りは全員笑顔になっているなか、彼女だけはどこか悲しそうな表情をしていた。
ヤチヨ
『お次は新曲!』
かぐや
『いっくよー!!!』
気がつけば一曲が終わり、二曲目に入っていた。
もう、ライブの残り時間も僅かなのだろう。
ステージの方を見ていた少女は、ウィンドウを開いて時間を確認した。
・・・大丈夫、大丈夫。
あともう少し、もうすこしだからっ・・・
そして何かに祈るように、ネックレスを見つめる少女。
その後ろから、一人の男が顔を覗かせた。
あともう少しで任務完了だ。
824。
ご苦労だったな
824
92863・・・一応、私はあなたの上司なんだけど
92863
ヘケケw
そんな表面上の肩書きにキョーミねぇし。
お前はどうやっても、俺に勝てねーんだからよw
824
・・・口の利き方に気をつけなさい
92863
www
大声で笑った男は、少女の隣の席に腰を下ろし、ステージの方を見やった。
ステージの方では、4人がこれでもかと楽しそうにライブをしている。
かぐやが少しふざけて、ヤチヨがそれに乗っかって、彩葉とリュンヌがそんな二人を見て、呆れつつも楽しそうに笑う。
そんなサイクルが出来上がっていた。
それを見た少女は、寂しそうに青色と黄色の目を伏せる。
824
やっぱり、姫様にはこういう時間も必要だったのかな
92863
ヘケケw
天下の大英雄、「冥王星の女帝」様がそんなことを言うなんてなw
「太陽の聖女」みたいなことを言いやがるw
824
・・・
92863
あいつがいた時代は良かったよなあw誰もあいつに逆らおうともしなかったし、統率も取れてた
824
・・・私じゃ力不足だとも言いたいわけ?
92863
ヘケケw
不快そうな視線を向ける少女の視線から逃れるように、男はステージに目を向ける。
そこでは、少女の言う姫様が弾けんばかりの笑顔を浮かべていた。
92863
でも、そんなのは今日で終わりだ。
わかってんだる?
824
・・・もちろん。
このあと、協力者のおかげで姫様と話す時間は取れてる。
だから、その時に・・・
92863
チゲぇな。
そんなんだから、お前はダメなんだよw
824
何を・・・
不快そうに顔を歪ませた少女の首元に、ナイフが突きつけられた。
突然の部下の行動に、少女の喉が音を立てる。
92863
いいか?
確かにお前は、俺たちの上司なのかもしれねぇ。
でも、指示を出すのは、お前じゃねぇんだよ
824
っまさか・・・!!!
男の言葉に、何か思いたることでもあったのか、少女の目が大きく見開かれる。
それを見た男は、その懐から小さな小瓶を取り出した。
ニヤリと、不気味すぎる笑みを浮かべながら。
その後ろでステージの上に立ったかぐやが、彩葉に声をかける。
かぐや
『めーっちゃ楽しかった!!!
・・・彩葉。
好き』
彩葉
『ウェ、わ、私!?』
かぐや
『あー、もう。
彩葉と結婚しっよかなぁ。
織姫にも声かけてさ。
一緒に住みたい!!!!』
彩葉
『ちょっと、織姫を巻きこまないでよ?』
マイクに乗って、流れてきた二人の会話に男は少女の方を見て、唇の端を上げた。
92863
あんなことを言ってる姫様が、素直に帰るとでも?
824
・・・それは
92863
それなら、今すぐに強制送還の方がいいだろw
824
っ・・・待って!!!
少女の止める声も虚しく、男は表示させたウィンドウの上で輝いているボタンを押した。
その瞬間、ステージをのぞいた会場全体が暗くなり、巨大なウィンドウが現れる。
そこに映っているのは、とても大きな満月。
あまりにも異様な光景に、会場に集まった人々は首を傾げた。
824
あなた・・・
92863
ヘケケw
これから、パーティーの時間だw
愉快そうに笑った男が静かにウィンドウに映った満月を、撃ち抜く。
その時、少女の隣に座っていた観客の一人が、頭にお神輿を被って白く光る、人ならざるものに変化した。
さらにその隣でも、同じように人ならざるものに変化する人の姿が。
あっという間に、ライブ会場に集まった人の多くが人ならざるものに姿を変えてしまった。
824
92863!
私はこんなこと、指示してないんだけど!?
ライブが終わるまでは手出ししないって言ったよね?
92863
ヘケケッケw
さっきから何度も言ってるだろ?
この場で本当に指示を出せる人材はお前じゃない。
・・・俺だよ
824
っ・・・
顔に青筋を浮かべた少女が、その背中から剣を取り出し、構えようとする。
しかし、それよりも先に少女の前に男の手に握られていた小瓶を近づけられた。
92863
おっと、動くなよ。
コイツがどうなってもいいのか〜?w
824
そこに溜まっているのは、少女の握っているネックレスに繋がれた赤色の石と同じ、血のように真っ赤な液体。
それを見た少女は、歯痒そうな顔で動きを止める。
92863
そうそうw
そうやって、いい子で待ってろよw
俺に従わねーと、これどーにかしちまうぞーw
824
く・・・
悔しそうに少女が唇を噛む。
その時、ステージ上にいたヤチヨらを襲い掛かろうとしていたはずの、人ならざるものが客席の方までふっ飛んできた。
92863
何!?
824
・・・!
驚きで、少女と男が目を大きく見開きステージの方を見やる。
ヤチヨ
『おいたはダメだよ〜』
リュンヌ
『せっかく楽しいライブだったのに、邪魔なの〜』
そこには、放心したかぐやと介抱する彩葉、そしてこの世のものとは思えないほど綺麗な笑顔を浮かべたヤチヨ、リュンヌが立っていた。
今回の話も読んでいただきありがとうございます!

ずっとお待たせして、すみません

Akariさん、いつもいつもスポットライトありがとうございます♪

他の方も、コメントめっちゃくれてありがとうございます

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