第5話

幸せを君に
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2018/06/20 12:41
ウエディングプランナー。
それはたくさんの人たちに『幸せ』を届ける仕事。大体の人が人生で1度しか行わない大切な結婚式。ドレスや会場まで新郎新婦の希望をなるべく通し、最高の思い出となるようにする。
「せんぱーい!新郎新婦さんからお手紙届いてますよ。」

「あ、わざわざありがとう。忙しかったよね?ごめんね。」
この仕事についてから2年ちょっとたった。まだ慣れないこともたくさんあってやめたいな...って思う時もある。でも、新郎新婦さんたちの嬉しそうな顔を見てるとこの仕事やってて良かったって思う。それに直接手紙を書いてくれる方たちもだんだんと増えてきて上司からも認められたりもしてきた。
高校生のころに決めたこの仕事。
「絶対ウエディングプランナーになる!」
親からは反対されて誰も応援してくれなかった。でもそんなときに彼だけがわたしの味方だった。
「絶対なれるよ」
そう言って応援してくれた。
そして掴み取ったこの仕事。
もうあのときの彼とは会ってはいない。
高校生のころはずっと彼だけに夢中だった。いつも目で追っていた。そんな彼に
「絶対なれるよ」って言われて親からなにを言われようと掴み取ると誓った。
彼のことは好きだった。でも彼には好きな子がいた。いわゆる三角関係。付き合いたい気持ちもあったけど応援したかった。彼が幸せになれるならわたしはどうでもいいって。そんな彼とその彼女がもっと幸せになれればと思いウエディングプランナーになると決めた。
もし、担当するときがきたらちょっとつらいけど精一杯応援する。うまく笑えないかもしれないし...泣きそうな顔してるかもしれないけどちゃんと背中押してあげるから。
頑張ってね。大好きだった人。
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今回は大人の恋物語。

高校生のころから止まっている気持ち。
消し去りたいけど消せない。
忘れたいけど忘れれない。
大切な思い出だから。
今のわたしの仕事はあなたのためです。
あなたが幸せになれるために。
わたしが魔法をかけてあげる゚。*♡

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