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第7話

一章 貴方…………もうすぐ死ぬわ 5
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2022/08/11 09:00
オレたちが湖の畔まで帰ってくると、湖底の道には左右から水が流れ込み、湖は何もなかったかのように元の静かな姿を取り戻した。
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
で、これから朔はその神剣を持って、魔王を倒す旅に出る、みたいな?
腰の飾りリボンを外してクルクルと剣に巻き、臨時の鞘代わりにしている朔に尋ねると、「そんな他人事みたいに」と肩をすくめられた。
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
壱星だって、『十二聖』の中の一人、双子座の加護を持つ『双児聖』なんだから
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
嫌な予感はしてたけど、やっぱりオレも巻き込まれるのか……! てか『十二聖』とやらも千年前から転生してるわけ?
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
『十二聖』は転生じゃなくて、力が代々引き継がれていて、世界の平和を維持する使命を背負った存在よ。『十二聖』は誕生したその時から、周囲から特別な存在と認識され、育てられるわ。その一方で、月の女神は〈アスタリスク・ラグナロク〉の大戦以降、完全に消息不明。だから前世の私もこの時点では、これが神剣であることも、自分が月の女神の生まれ変わりであるという宿命もまだ何も知らないの。全てを知るのは魔王の襲撃──
そこまで話したところで、ご機嫌だった朔の顔が、サーッと見たこともないほど一気に青ざめた。
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
なんだ、どうした!?
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
た……たたたった今、思い出した事実があああるのだけ、ど……おお落ち着いて、ききき聞いてく、れる……?
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
いやおまえこそ落ち着け! ろれつがまともに回ってないぞ?
朔はブルブル震えながら、視線をキョロキョロと彷徨わせ、浅い息を繰り返す。
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
とりあえず、深呼吸したら?
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
そそそ、そうね……
すーはーすーはー、と大きく息を吸って吐いてを繰り返してから、朔は覚悟を決めたようにオレを見つめ、頬を引きつらせながら、告げた。
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
あのね、壱星。貴方…………もうすぐ死ぬわ
…………は!?
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
約四ヶ月後、私たちは復活してしまった魔王の襲撃に遭うの。でも、神剣の力はまだ不完全で、私たちには反撃する力が足りなくて……
説明しながら、次第に朔の大きな碧の瞳が、うるうると水気を帯びていく。
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
為す術のない絶体絶命の状況下で、魔王の狙いが私の命だと知った壱星は…………その…………
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
……もしかして、双子の利点を生かし、朔のふりをして身代わりになって、魔王に殺される……とか?
声を震わせて引き継ぐと、朔はコクリと頷いた。
朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
前半最大のクライマックスシーンよ
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
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朔=エクリプス=ミッドナイト
朔=エクリプス=ミッドナイト
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壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
…………………………ひ
長い沈黙の後、オレがぼそりと声を漏らした瞬間、朔の肩がビクゥッと跳ねる。
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
人を勝手に殺すなーー!
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
殺すなー
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
殺すなー
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
すなー
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
壱星=ジェミニ=ミッドナイト
なー
オレの全力の叫びは、広い湖に響き渡り、何度も虚しくこだましたのだった。