side:瀬戸
どいつもこいつもほんと意味わかんない 。
これだから永遠なんてないんだ 。
仲間なんて 、信じられない 。
大人しく従ってれば丸く収まるんだ 。
下手に反抗しない方がいい 。それでいい 。
自分に言い聞かせてトイレから出ると 、
まるで待ってましたかのような格好で
壁に寄りかかる人物と目があった 。
「 よっ 」
『 … 』
「 え 、なに無視?酷いやんか〜〜〜 」
『 室うるさい 』
室「 当たり強すぎん? … 康二のところ
行くタイミングミスったねんけど 笑 」
『 … 』
室「 愚痴らんの?いつもみたいに 」
『 … もう関わんないで 、』
関ジュの時からずっとそばに居た人だって
どうせ離れていくんだ 。それなら
最初っから期待しない方がいいでしょ?
冷たく言い放って龍太くんの横を通り過ぎ …
ようとしたけどこの人は放っといてくれない 。
昔っからそう 、私の弱いところを突いてくる 。
室「 頼りたいくせに?」
『 っ離して 、!!!!』
室「 おっと 、暴力反対〜 」
『 もうっ … もう全部嫌やねん 、!!!!』
龍太くんの手を無理やり引き剥がし
レッスン室へと向かった 。
… もう 、誰も信じなければいい 。
私がレッスン室に入るとそれはそれは
もう … なんというか空気が汚れていた 。
そんな中で話し掛けてくる奴が1名 。
「 あなた 」
『 … 』
「 あなたー 」
『 … 』
「 あなたさーーーん 」
『 … 』
「 なあって 」
『 うるさいな 、龍太くんのところ勝手に行け 』
向井「 なんで俺の
言いたいこと分かったん?!」
『 … 』
向井「 … あなたはなんもせんくてええよ 。
俺らが絶対助けたるから 」
そう言いながら微笑み、私の頭を撫で 、
龍太くんに会いに行ってきまーすなんて
ルンルン気分でレッスン室を出て行った 。
… 絶対なんて言葉あるわけないのに 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!