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髙橋に会場見に行こって誘ったら 、いいよ!と
笑顔で私の手を引っ張って駆け出した 。
いや別にそんな走って行かなくても … 。
髙橋「 うおー!すっげー!ファンの
みんなからの目線こんな感じなんだ!」
『 へえー 』
髙橋「 こっからステージあがろ!」
『 だから速いって!笑 』
またもや私の手を引っ張られて駆け出す髙橋 。
ステージの上から観客席をぐるっと見渡すと
ボックス席が賑やかそうにしてた 。
まだ2時間前なのに来てるのか早いな 。
あっちがこちらに気づき 、髙橋もみんなに
気づいたらしくブンブンと手を振る 。
私は別に意味ないのでスマホを(
髙橋「 ちょっと 、手ぐらい振りなよ 」
『 いやだからもう知らないって 』
髙橋「 … いつまで意地張ってんの!バカ!」
『 はぁ?!あのねぇ 、先輩だから私 』
髙橋「 知ってるよ!!
だけどバカじゃん!バーカ!!!」
『 歳上だぞおい 』
髙橋「 知ってるもん!!!バカ!」
『 バカって言ったら
カバと結婚するんだぞ!』
髙橋「 してやるよそんなもん!!バーカ!」
『 … なんで髙橋が泣きそうになってんのさ 、
泣きたいのはこっちなのに 』
髙橋「 … わっかんないしっ 、、、ばかぁ 泣 」
『 あーもう 、はいはい 』
まだセットされてない髙橋の髪の
グッシャグシャに撫でる 、ううん 、
かき乱すの方が正しいかな (笑)
そうでもしないと私がもらい泣きしそうだった 。
髙橋「 もうっ 、グッシャグシャじゃん 、!泣 」
『 ボサボサな髙橋もいい感じだよ 』
髙橋「 よくないよ 、
固めなきゃじゃんもうっ 、、、」
『 なんで?』
髙橋「 なんでって 、、、
アイドルの俺見せなきゃ 、」
『 素の髙橋じゃダメなの?』
髙橋「 ダメって訳じゃないけど
完璧な姿見せたいじゃん 、?」
『 ……… 私は好きな人だったら悪いところも
全部含めて好きになりたいと思うけどなぁ 』
髙橋「 ……… 紫耀と廉の間にいても
俺らしくいられるかな 、」
『 それは自分で決めることだよ 。
自分がその場所で自分らしくいられるかは
自分の行動次第なんだからさ 』
髙橋「 … ちょっと10分ぐらいここで考える 」
『 先 、戻ってるね 』
片手をポケットに突っ込んで
髙橋に背を向けて歩き出す 。
私と同様に髙橋も何か抱えてんだろうけど
自分でなんとかしなきゃならない問題だから 。
私はあくまで手助けするだけ 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!