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私は紫耀が去っていったドアの方を
ジッと見つめていた 。最近全く喋ってないし 、
てかあれ完璧避けられてるよね 。
私絶対嫌われてるわ 。お疲れ自分 。
『 … 』
岸「 … 追いかけないの?」
『 … は?なんで?』
髙橋「 あなたも紫耀もほんと頑固 。
不器用すぎ 。鈍感 。バーカ!!!!!」
『 え?なんでそんな怒ってんの?』
岩橋「 分かんない?」
『 全く分かんない 』
永瀬「 なんて言うんやっけそういうの 、
あのー 、そのー 、あれやん!こいー 、!」
『 全然伝わらないんだけど 』
神宮寺「 恋煩い?笑 」
永瀬「 それやっ!!!!ジンナイス 」
神宮寺「 いぇーい 」
『 ジン 、よくわかったね 』
神宮寺「 だって紫耀が完璧そうだもん 。
あの様子は完全に恋煩ってるから 笑 」
『 … は?平野が?
恋煩い?誰に煩ってんの?笑 』
岸「 … こりゃもうだめだ 」
髙橋「 ほんっともう 、、、」
岩橋「 (苦笑い) 」
『 え 、?え?!え?!?!』
とにかく行ってこい!!と廉に背中を押された 。
待って 、なんで?なんで私?話せないのに?
いや話せるよ?話せるけどなに話せばいいのか
わかんないしむしろ私嫌われてるんだよ?
1歩を10秒ぐらいで進むように歩いていると
廊下の向こう側に自販機があって紫耀の姿が 。
う 、うーん 、これは行った方がいいのか … ?
『 ……… 』
平野「 であいーはそーさたからーもーのー … 」
普通の声で結構ノリノリになって歌ってる紫耀 。
カフェオレもファンタもメロンもミルクティーも
岸くんが好きそうなほうじ茶だって持ってて …
私が昔から好きないろはすのボタンも押した 。
… え 、な 、なにこれ 、心臓うるさい 。
バクバクうるさいし 、顔がものすごく熱い 。
いや自意識過剰!あれ絶対自分の分!ね!
ってか紫耀戻ってくる!!ど 、どうしよ!!
私は慌てて曲がり角の逆の方に向かった 。
平野「 ゆーめにむかうみちー … 」
『 ……… っはぁー 、、、』
足音が遠ざかって紫耀の背中が楽屋へと消えた 。
その瞬間 、私は大きなため息を
ついてその場に座り込んだ 。
もー … なんなの 、意味わかんない自分 。
嫌われてんのに私 、紫耀のこと好きなの … ?!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!