第58話

イヤモニが白色の理由 58
2,522
2020/11/18 09:14
濵田side
今日は指輪はやめよう。
マネージャーにネットがやばいと言われ
俺は今日はあの日貰った指輪と同じ飾りが付いてある
あなたから貰ったネックレスを服の下につけた。

メンバーと一緒に最後の確認。
立ち位置やカメラと証明の確認。

それも終わって俺らはまた楽屋に戻った。
俺はソファに座ってその隣にしげが座った。
濵田崇裕
濵田崇裕
珍しいな笑
俺の隣に座るなんて笑
重岡大毅
重岡大毅
…読んだよな?紙くず。
濵田崇裕
濵田崇裕
大丈夫 会えない時間が 愛を増す。
重岡大毅
重岡大毅
…ちょっ!笑
声に出すなや笑笑
濵田崇裕
濵田崇裕
えぇー!ごめんやん!笑笑
重岡大毅
重岡大毅
…でもホンマにそうやと思ってるから。
最後のきみへのメロディーも
ちゃんと歌おな。
濵ちゃんが考えた歌割り
俺結構好きやから。
かっこよく足を組みながら隣のしげはそう言った。
俺もなんか恥ずかしくなってカバンの中の携帯を
とって触りながらしげの話を聞いていた。
重岡大毅
重岡大毅
…俺流石やなって思った。
あんな時にあのベタな恋愛曲を
提案すんの。
中々の勇気が必要なのに
それも感じさせなかった。
なんならちょっと
前々から決めてた感じがしたんよ。
凄い企画に熱心なんやなって…笑
でも今思ったら
全部全部あなたちゃんなんよな…。
大人の余裕って凄いなって思った。
濵ちゃんは恋愛になったら
大人が増すねん。
こんなシャレた曲選曲するし
ちゃんと歌詞と今の状況とリンクする
ところは自分で歌うし。
俺よりも音楽才能あるんちゃう?笑
濵田崇裕
濵田崇裕
…それはないで?笑笑
重岡大毅
重岡大毅
いやある笑笑
あなたちゃんに届けたいから
この曲選んだ。
あなたちゃんに聞いて欲しいから
この曲選んだ。
…自覚ないと思うかもしらんけど
濵ちゃんこの曲やりたい!って
俺らに話した時
めっちゃ幸せそうな顔しとったで?笑
昔の濵ちゃんの想いと
今の濵ちゃんの想いがこの歌詞と曲に
リンクする。
歌に乗せて届けたいって思ったら
まず最初にこの曲が浮かんだんちゃう?
俺らには沢山の恋愛曲があるけど
1番しっくりしたのが
この曲やったんちゃう?
濵田崇裕
濵田崇裕
……おん。まぁな。笑笑
サビの歌詞を昔の自分と重ねていたリハーサル。
「好きだよ。ねぇ好きだよ。君のことが。」
その一言さえも言えずに俺らは離れた。
住む世界が変わった。
かけがえのない人へ伝えられなかった。

でもこのライブが終わったら
「好きだよ。ねぇ好きだよ。君のことが。」
その一言が言えるって思うと
この曲を歌って少し早めに俺の思いを届けたい
って思った。
全てはプロポーズに思いを込めたい。
なら最初は俺らに合う、俺に合う
歌を歌って伝えればいいってそう思った。
濵田崇裕
濵田崇裕
…きみへのメロディーは
心込めて歌いたい曲やな。
重岡大毅
重岡大毅
…やりたいって言った以上
しっかりせえなアカンで?笑笑
バシッと力強く俺の背中を叩いたしげ。
最初は痛っ!って思ったけど
それのお陰で俺もちゃんとせなって思わせてくれた。
濵田崇裕
濵田崇裕
……ありがとう。しげ。
重岡大毅
重岡大毅
……メイク行ってくるわ。
濵田崇裕
濵田崇裕
…おぅ。
メイクに行くために静かに立ったしげは
そのまま自分が持ってきたワックスをカバンから
出してポケットに入れた。
俺の前を通って楽屋から出ようとしたしげだから
俺の前に立って中々楽屋から出ようとしなかった。
濵田崇裕
濵田崇裕
…どうしたっ
重岡大毅
重岡大毅
大丈夫、会えない時間が愛を増す。
………行ってきます。
俺の言葉を重ねるように言ったしげは
またそのまま耳を赤くして楽屋を走って出て行った。

「大丈夫、会えない時間が愛を増す」
あなたもこの曲を聞いて更に愛を増して欲しいな。
俺はもう既にこの曲を歌う歌わない限らずに
更に愛は増しているから
その愛があなたに伝わるように歌わなあかん。

きっとしげはあともう少しで会える
この残り僅かな一人の時間を後押しするように
言ってくれたのかもしれない。
それともちゃんとあなたに届けなあかんでって
言う男としてのケジメの意味なのかもしらん。
小瀧望
小瀧望
…大丈夫、会えない時間が愛を増す
って今思えば
濵ちゃんとあなたちゃんへの言葉
みたいやな笑笑
桐山照史
桐山照史
せやな笑笑
こんなシャレた言葉が似合うって
中々居らんからな笑笑












そして本番20分前…
俺はよくあなたと2人で気合い入れをした
思い出のある廊下に向かった。
濵田崇裕
濵田崇裕
…懐かしいな笑笑
何も変わらないあの時のあのまんま。
あなたがちょっと落ち込んでいたら
俺がここの自販機であなたが好きな飲み物を買って
励ますまでが俺の役割やった。
…でもいつからやっけ?
そんなのが出来なくなったの。
俺が励ましてもらいたくて精一杯だったのは。
その日からずっと あの日からずっと
俺のお守りとして持っていたあなたからくれた
プレゼント。…ネックレス。
そのネックレスを1回外して手に取って
両手で優しく包みこんだ。
そしてまたいつものようにあの言葉を唱えた。
濵田崇裕
濵田崇裕
…大丈夫、大丈夫。
俺ならできる。俺らならできる。
大丈夫、大丈夫。
俺にはあなたが居る。
心にはあなたが居る。
……どこかであなたが
見守ってくれている。
数秒間目を閉じてここでの過ごした濃い日々を
思い出した。
あなたが俺の背中を叩いて勇気を出してくれたこと。
あなたと俺が緊張してたら手を繋いだり
抱きしめあったりしたこと。
ジュースのジャンケンで俺がわざと負けたこと。
…流石に年下の女の子にジュースを買ってもらう
なんて絶対に許せられなかったから。
俺はこんなアホやけどちゃんとした男やから…。
濵田崇裕
濵田崇裕
……懐かしいなっ。
ゆっくり俺ららしく確かに俺らは足跡を付けた。
どれもどれも宝物でまだ思い出す。
どんな景色でもあなたがいたから
見たい景色も叶えたい夢も意味があった。
全部全部輝いていた。

でも今は…
俺の隣にはあなたは居ない。
俺の背中を叩いてくれるのも
抱きしめてくれるのも
手を優しく繋いでくれるのも
全部全部無くなった。

俺はちょっと心配やった。
今回松竹座で生配信ライブが行われる事に。
俺はちゃんと楽しめるのかなって。
ただただ不安やったし心配やった。

ジャニーズWESTとして楽しめる事ができるのか。
「夢色クロニクル」俺はちゃんと歌えるやろうか。
中間淳太
中間淳太
…懐かしい所におんな。笑笑
桐山照史
桐山照史
あっ!ほんまや!笑笑
まぁでもやっぱりここやったな笑笑
濵田崇裕
濵田崇裕
…ごめん。今行く。
2人に駆け寄って舞台裏まで一緒に歩いた。
中間淳太
中間淳太
ちゃんと届けよう。
俺らもあなたと過した仲間や。
濵ちゃんとは感情や思いは違えど
それでも俺らはあなたに届けたいって
思ってるから。
桐山照史
桐山照史
…あの時よりも
めっちゃいいもん作ろうな。
濵田崇裕
濵田崇裕
…淳太、照史。
桐山照史
桐山照史
…最高の相棒であり最高の同期に
届けようや。
きみへのメロディーも。
ええじゃないかも。
……夢色クロニクルも。
中間淳太
中間淳太
俺楽しみやから。
夢色クロニクル。
ちゃんといいバトン繋げるように
俺らも心込めて歌うから。
アメフリ→レインボー。
濵田崇裕
濵田崇裕
…あなたも好きやったもんな。
アメフリ→レインボー。
桐山照史
桐山照史
おん。笑笑
やからすぐに決まった。
これやなって。笑笑
兄組による“あなたメドレー”
届けようや笑笑
濵田崇裕
濵田崇裕
……おぅ!笑笑
誰よりもあなたへの思いが強い兄組。
弟組はちゃんと関わったことがないけど
たまにあなたが働くカフェに行っては
話して盛り上がっている分
あなたへの思いもちゃんとある。
だからやと思う。
俺があなたへの思いを込めて
きみへのメロディーを歌いたいって言って
更に俺が歌割りを変更したのにも関わらず
笑顔でふたつ返事で答えてくれた。
濵田崇裕
濵田崇裕
……見ててな。あなた。
ええじゃないかも
夢色クロニクルも
きみへのメロディーも
全部全部あなたに届くように思いを込めて歌ってやる。

また首につけたネックレスを手で触り
あなたの笑顔を思い出していた。



























しげちゃんドラマおめでとう🎊

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