第25話

イヤモニが白色の理由㉕
2,911
2020/09/29 06:29
桐山side
〜現在編〜
カフェに来る前の楽屋は歓喜で溢れていた。
どうやら淳太くんが先にもう伝えていたらしい。
…濵ちゃんに。
俺が楽屋に着いた時には目を輝かせている
濵ちゃんとそれを嬉しそうに見守っている
淳太くんが揃っていた。
濵田崇裕
濵田崇裕
…ほんま元気そうで良かったわ。
中間淳太
中間淳太
…後は迎えに行くだけやで?
濵ちゃん。
濵田崇裕
濵田崇裕
せやな。
でもここ最近ありがたいことに俺らの仕事は多く
中々そのお店に行く時間も限られていた。
桐山照史
桐山照史
…いつ行くん?
濵田崇裕
濵田崇裕
…せやな。
俺今度その店に行けるの
ちょっと時間かかりそうやねん。
中間淳太
中間淳太
仕事どんな感じなん?
濵田崇裕
濵田崇裕
ん〜…
あ、ほら!来週まであかん!
どうしよう〜!!
携帯のカレンダー機能で予定を確認した濵ちゃんは
そのままカレンダーを俺らに見せてきた。

確かに濵ちゃんの携帯には
来週までパンパンに詰まっている予定やった。
濵田崇裕
濵田崇裕
うわぁー!
もう会いに行けやんやん!!
中間淳太
中間淳太
…やっと会える時までに
準備したらええやん。
濵田崇裕
濵田崇裕
えっ?何を?
中間淳太
中間淳太
……結婚考えてるんやったら
まずは指輪や。
その次に婚姻届。
その次に2人で住む用の家とか
色々あるやろ?
濵田崇裕
濵田崇裕
……せやな。
桐山照史
桐山照史
……結婚するん?
濵田崇裕
濵田崇裕
……まずは付き合う。
そっからや。
いきなりはびっくりするやろ?
それに8年経ってるから
お互い変わってしまった所が
あるかも知らんやろ?
そこからまず知って行くことが
必要や。
中間淳太
中間淳太
濵ちゃんにしては
よく考えているやん。
桐山照史
桐山照史
でも用意するもんは
考えてなかったけどな?笑
中間淳太
中間淳太
まぁそれが
濵ちゃんらしいやん?笑
桐山照史
桐山照史
…せやな。笑笑
中間淳太
中間淳太
まぁあなたも
笑うやろ?
もう〜!濵ちゃん!って。
桐山照史
桐山照史
ふは笑笑
ありそうやな笑笑
俺も淳太くんと話し終わって
携帯を出して濵ちゃんと同じようにカレンダー
機能を確認した。
今日は午後まで仕事があり俺は今日は終わりだが
濵ちゃんと望としげは日付が跨ぐギリギリまで
仕事が入っていた。

俺このまま仕事終わったらあなたに会いに行こっかな。






























そして今に当たる。
カフェから近い大きなお店に入って
あなたから頼まれたものを籠の中に入れて行く。

…ついでに拓哉のお菓子も買って行くか。

お菓子コーナーへと進んで行くと
見慣れた姿を発見した。
桐山照史
桐山照史
お疲れ様です!
大倉くん!
大倉忠義
大倉忠義
おぉー!桐山!笑笑
何?どうしたん?
桐山照史
桐山照史
あぁ〜、あなたの甥っ子のお菓子を。
大倉忠義
大倉忠義
もぉ!そんな仲良いん!?
俺結構時間かかったで!笑笑
桐山照史
桐山照史
お陰様で
懐かれました!笑笑
大倉忠義
大倉忠義
……うっざ笑笑
拓哉のお菓子買うんやったら
グミとかハイチュウ、ガムは
止めたってな。
桐山照史
桐山照史
そうなんですね。
大倉忠義
大倉忠義
…拓哉のオカンが厳しいんよ。
桐山照史
桐山照史
……あなたのお姉さん。
大倉忠義
大倉忠義
…そう。
会ったことあるん?
桐山照史
桐山照史
…1回だけ。
でももう10年以上前です。
あなたが体調不良でレッスンを暫く休んでいた時
淳太くんと濵ちゃんと一緒に行ったことがある。

その時はあなたのお母さんが居らず
あなたのお姉さんが中に入れてくれて
そこで少し話した程度。
大倉忠義
大倉忠義
…あなたの姉も
お前らが店に来たら
きっと喜ぶな笑笑
桐山照史
桐山照史
…えっ?
大倉忠義
大倉忠義
…やって
あなたの幸せが
あなたの姉にとっても
幸せやから。
桐山照史
桐山照史
…拓哉のお父さんって?
大倉忠義
大倉忠義
……2年前に事故で。
お父さん子やった拓哉も
一気に元気無くして
あなたの姉も元気無くして…。
その時な?あなたが1番動いてたんよ。
私がしっかりしなきゃ!って
良く動いてた。
桐山照史
桐山照史
…そうやったんですね。
大倉忠義
大倉忠義
変わってへんやろ。
あなた。
あいつはまだ8年前の可愛いままや。
桐山照史
桐山照史
……ですね。
大倉忠義
大倉忠義
…店行くんやろ。
今あなたから連絡来たわ。
一緒に行こうや。
桐山照史
桐山照史
はい…!
大倉忠義
大倉忠義
…お金はいい。俺が払う。
お前、袋…
桐山照史
桐山照史
持ってます!!
大倉忠義
大倉忠義
…ん、よろしい。
ほな行こか。
拓哉とあなた待ってるから。
桐山照史
桐山照史
ですね。
大倉くんが手に持っていた荷物を俺の籠に入れて
レジまで持って行った。




まだあなたと久しぶりに会って数日しか経ってない
けど大倉くんの言った通り何も変わってない。

笑顔も癖も声も身長も…。
また俺らはこうやって集まれるんや。

あなたとまた青春過ごせるんや。
大倉忠義
大倉忠義
…何してるん?笑
行くで〜!
桐山照史
桐山照史
あっ!待ってください!!
ボーッとしてたらいつの間にか袋に入れ終わって
居て大倉くんに置いてかれそうになった。



一緒に外出てカフェまで向かう。

もしここにあなたが居て拓哉が居たら
理想の光景やろうな。


それを出来るのは 叶えられるのは俺やないけど
素晴らしいものに変えてくれる人を
最適な人を俺は知ってる。

それを出来るのはそいつだけや。
俺が居る時とは違うそいつだけに見せる笑顔が
あなたは1番輝いてるから。

きっと8年経ってもそれは変わらないと思う。


伝えるつもりはない。
今も過去も未来も。
…いや伝えられなかった俺の弱さもある。

俺のこの恋心もどうか救って
目の前でやっぱり俺じゃないなって
思わせて欲しい。

この未来が、1番正解やって。
桐山照史
桐山照史
…頼んだで。濵ちゃん。
1番理想の光景を叶えてくれると信じてる。

俺も淳太くんも。

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