第43話

イヤモニが白色の理由㊸
2,621
2020/10/18 04:27
貴方side
〜現在編〜
皆と食べる用のご飯を作っていると隣に誰かが
立って誰かなと確認すると重岡くんが立っていた。
あなた

…喉乾いた?

重岡大毅
重岡大毅
…ちゃうよ。
ニラあるかな〜って思ってん。
あなた

…ニラ?

重岡大毅
重岡大毅
…そう。俺ニラ大好きやねん笑笑
あなた

…ふふっ。重岡くん変わってる笑笑

重岡大毅
重岡大毅
…せやな。
俺は変わってるわ。笑
重岡くんは後ろの棚に寄りかかって腕を組んだ。
この立ち方でも本当にかっこよくて
あぁ〜、流石ジャニーズだなって思った。
重岡大毅
重岡大毅
…昔話聞いてくれへん?
あなた

…いいよ?

重岡大毅
重岡大毅
…おおきに。
独り言やと思って聞いてな?
あなた

…うん。

重岡大毅
重岡大毅
…昔昔関西に努力でファンを魅了した
関西のシンデレラと呼ばれていた
女の子がおった。
あなた

…重岡くん。

重岡大毅
重岡大毅
…最後まで聞いて?
…俺はその子のことは見たこともないし
知らんかった。
理由は簡単や。
俺が入ったのと同じぐらいに
その子は辞めたからや。
でもその子が辞めてからも
多くの人がその子を探して
多くの人が突然姿を消した女の子に
悲しんだ。
惜しい存在、その位の人材やったから。
なんなら俺もちょっと探すのに協力した
1人や。
濵ちゃんや照史、淳太から
その子のこと聞いてて
あぁ〜会ってみたいなって
直感で思った。
どの位凄いんやろ、
どの位惜しい存在なんやろ
どの位…兄組を魅了したんやろって。
当時は兄組に認められた人は
ホンマに凄いって言われてたから
とんでもないんやろなって思った。
探しに探して…事務所の廊下とか
関西Jrが使っていたスタジオとか
色々見たけど見つからんくて…。
でも居ったんよ。
…社長室に居ったんよ
シンデレラさん。
俺は盗み聞きした。
当時は俺も子供やったから
なんか難しい話してんなーって
思いながらドアの前に立っとったら
突然歌声が聞こえてきてん。
シンデレラが歌い始めたんや。
シンデレラの歌声は今で言う
神ちゃんと濵ちゃんを足して÷2した
感じの優しい歌声で…。
兄組が認める理由がすぐに分かった。
こんだけ歌が上手いんなら
絶対ダンスも上手いやろって…。
俺決めてん。
絶対このシンデレラを越したるって。
越して越して…シンデレラと同じ
景色見たいなって…。
野菜を切るために包丁を持っていた手も
気が付けば止まっていた。
聞こえてくるのは3人の盛り上がっている音と
後ろで話している重岡くんの声だけだ。

そして重岡くんの声だけが以上によく聞こえる。
重岡大毅
重岡大毅
…もしかしたら
ジャニーズWESTは7人やなくて
8人やったかもな。
あなた

……ごめんなさい。

重岡大毅
重岡大毅
あっ…。ちゃうよ。ちゃうちゃう。
責めてるわけやないから。
俺は感謝してんねん。
あなた

えっ?

重岡大毅
重岡大毅
…夢を諦めないことが素晴らしい
ってことを教えてくれて
ありがとう。
素敵な仲間に出会わせてくれて
その仲間と見たい景色を見せてくれて
ホンマにありがとう。
あなた

…私は何もしてないよ。

重岡大毅
重岡大毅
…してるで?
あそこであなたちゃんの歌声
聞いてなかったら
憧れとか夢とか…デビューとか
考えてなかったんやから。
あなたちゃんが俺の夢のバトンを
繋いでくれた。回してくれた。
やからほんまにありがとう。
俺この気持ち忘れずにこのまま
このメンバーと走ってく。
…あなたちゃんは俺らの
1番のファンになってな?
あなた

……もうなってるよ。笑笑

重岡大毅
重岡大毅
笑笑
せやな。…勿論?
あなた

…崇裕です!笑笑

重岡大毅
重岡大毅
笑笑笑
そう言えば濵ちゃんのこと
下の名前で呼んでるん?
あなた

…うん笑
崇裕がそう呼んで欲しいって。

重岡大毅
重岡大毅
…なら俺のことも
大毅やな。…say!!
あなた

…呼ばないよ。笑笑

重岡大毅
重岡大毅
なんでやねん!!
あなた

無理無理〜!笑笑

重岡大毅
重岡大毅
はぁ…。
こうなったらこれや〜!!!
あなた

あっ…ちょっと!!

重岡くんは乱暴に私の頭を撫でてきた。
崇裕とは別に大人の男の人の手をしていて
それとは別にもちもちとした柔らかい感触も
感じられた。
神山智洋
神山智洋
しげ!何してんねん!!
あなたちゃん大丈夫!?
慌てて近寄ってきた神山くんが私と重岡くんを
離してくれて重岡くんは藤井くんに引っ張られ
キッチンの外に連れていかれた。
あなた

大丈夫大丈夫笑笑
ありがとう。

神山智洋
神山智洋
良かった〜!笑
…手伝うで?
あなた

ありがとう。
でももう炒めるだけだし大丈夫だよ?

神山智洋
神山智洋
…やらせて?笑
俺もあなたちゃんと話したいから。
あなた

分かった。笑

神山くんと隣に並んで野菜を切っていた。
もうすぐ全ての野菜を切り終わる時に
神山くんが話しかけてくれた。
神山智洋
神山智洋
…あなたちゃんは
いつから濵ちゃんのこと好きなん?
あなた

…ん〜
多分だけどJrの時は
そんなの考えられなかったと思う。
目の前のことに一生懸命で
恋愛とかそう言うの無関係な人って
自分でも思ってたから。
でも…。
今思えばもしかしたらずっと
私は崇裕のことが好きだったのかも…。
失ってから気付くってもしかしたら
こういう事だと思う。
勝手に自分から逃げて何言ったるんだ
って思われても仕方ないけど
でもやっぱり…
好きだったのかもしれない。
……ううん。大好きだった。

神山智洋
神山智洋
…そっか。
あなた

…私はずっと子供だった。
目の前のことに意識しすぎた。
仲間を失うことが怖くて
現実から離れて体を壊して
何も言わずに居場所を離れて
最愛の相棒を傷つけた。
何やってんだろうね。私…。

神山智洋
神山智洋
…傷付けてへんよ。
あなたちゃんは。
そりゃ勿論最初は皆なんで?って
思ったはずや。
でも濵ちゃんや照史とか淳太は
あなたちゃんを責めなかった。
それは何年経っても変わらんかった。
…俺ら弟組はデビューが決まってから
濵ちゃんからあなたちゃんの話を聞いた。
話してくれた内容は全ていい事ばかりで。
何も悪いことなんて言わんかった。
…思ってないんよ。
あなたちゃんの悪いことなんて
何も無いんよ。
俺も今日初めて会って
話しか聞いたことないからどんな人かな
って思ったけどいい人の塊や。
こんな人に悪い所なんてないなって。
濵ちゃんや照史や淳太が
ベタ褒めする理由がよく分かった。
神山くんは手を止めて私の方に向き直った。
神山智洋
神山智洋
…なぁあなたちゃん。
ふと名前を呼ばれて横を見ると優しく笑う
神山くんが居た。
あなた

…なに?

神山智洋
神山智洋
…濵ちゃん達がいつもどんな話してるか
知っとる?聞いたことある?
あなた

…いや、ない…。

神山智洋
神山智洋
もしあなたちゃんが
ジャニーズWESTにいたら
どんなグループになっていただろうか。
あなた

…そんな話してるの。

神山智洋
神山智洋
してるで?笑
兄組専用のソファに座って
自分が持っているあなたちゃんの
写真出し合いながら…。
あなたちゃんは今でも
兄組のシンデレラで
ずっとずっとずっと愛されてる。
特に濵ちゃんから。
……生配信ライブ終わったら
ちゃんと待ってあげてな。
あなた

…うん。

神山くんはそのままニッコリ笑って
フライパンに切った野菜を入れて手際よく
料理を作ってくれた。
神山智洋
神山智洋
あなたちゃんは休んでてええよ笑
あなた

いや悪いよ笑

神山智洋
神山智洋
……あの2人構ったって?笑
神山くんの目線の先にはキッチンから近い席に
小瀧くんと藤井くんが静かにこっちを見てみて
私と目が合うとニッコリ笑って手を振った。
あなた

…分かった。笑笑
何かあったら言ってね?

神山智洋
神山智洋
ありがとう〜。
キッチンから出て手を洗ってエプロンを取り
2人が待っている席の方に向かった。

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