貴方side
〜現在編〜
あっくん達と楽しくご飯を食べ終えた日から
4日経ったある日。
甥っ子と姉が久しぶりの家族時間と言うことで
楽しく実家に帰って行った。
私も誘われたけどお店もあるし久しぶりの
2人きりの楽しい時間を邪魔したくないから
遠慮した。
大倉くんたちに伝えるとちょっと寂しそうだった。
お昼休憩を取るために一旦カフェを閉めるため
外に出てOPENをCLOSEに変えて中に入ろうとした時
かっこいい私服を着こなした淳太くんが
歩いてきた。
CLOSEはそのままにして淳太くんを中に入れた。
2人分にちょうどいい量のハンバーグ材料を
冷蔵庫の中で見つけ
2人分のハンバーグを作って焼いて
お皿に盛り付けて淳太くんに持って行った。
淳太くんの机に持っていくと
何やら難しい資料とにらめっこしていて
厳しい雰囲気が漂っていた。
私は淳太くんの後ろの席の机席に座って
食べて始めた。
淳太くんは目の前の空いている席を指さして
私のお皿がおけるように机の上を綺麗にしてくれた。
とセトリの1部を私に見せてくれた淳太くん。
仮のセトリとして見せてくれたものは
どれも全部…
もう一度セトリの1番上に書かれている
大きな見出しを見直した。
でも何度見ても私の目にはこの文字が凄く
大きく見えた。
そこに書かれていた字は
【BOYS 松竹座 披露曲候補】
①夢色クロニクル
②STAY GOLD
③さよなら〜二人の空〜
④LOVE OR GUILTY
:
:
淳太くんは
松竹座でBOYSこと崇裕が1人でステージで歌う
セトリを私に見せてくれた。
ただ私にはこの中から選ぶなんて出来なかった。
淳太くんは食べていた手を止めて
そのまま淳太くんの手は私の手の上に重ねた。
真剣な淳太くんの目に何も言い返せず
私は無意識に首を縦に振っていた。
淳太くんは私が頷いたのを確認して
またハンバーグを食べ始めた。
私は何回もセトリを見て
松竹座で歌っている崇裕を想像して
雰囲気に合っている曲を選んだ。
私が選んだ曲で何が変わるか分からない。
これで決まりなのか反対意見なのか。
それすら分からないけど
この曲が松竹座に合ってると思うし
崇裕が歌うのも合ってると思うから。
優しく私の手からセトリを取って
淳太くんはファイルに仕舞ってカバンに入れた。
久しぶりのツーショットでお互い緊張してたのか
私たちはそれ以降何も喋らずハンバーグを
ひたすら食べていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。