貴方side
〜現在編〜
ヒルナンデスさんのロケが終わって1週間。
2人に出会って1週間が経った。
昨日のヒルナンデスではロケが行われた模様を
放送され今日は昨日のヒルナンデスのお陰で
カフェは大繁盛だった。
午前中も店の外で待ってくれる人が居て
午後も店の外で待ってくれる人が居て
やっぱりテレビの力って本当に凄いんだと思った。
丸一日のカフェの仕事も終わって
お店の片付けも終わって最後に
カフェの扉の札をOPENからCLOSEに変えて
店の外にある花に水をあげながら
甥っ子の保育園のバスを待っている時
あっくんが店に来た。
ぱぱっと花に水を上げた後お店にあっくんを入れた。
キッチン近くのカウンターにあっくんを座らせ
水を出した。
8年前みたいに私たちは笑い合えている。
ついこの前の私からしたら考えられない。
2人で笑いあって
あっくんがアイスコーヒー飲みたいって言い出して
私はそれを用意するためにキッチンに入ると
カフェのドアがカランカランと鳴って甥っ子が
入ってきた。
甥っ子「あなたちゃーーーーん!!!」
あっくんの方を見ると凄く驚いていた。
甥っ子はキッチンに入ってきて私の足に
飛びついてきた。
あっくん用のアイスコーヒーをトレイに置いて
片手で甥っ子を抱っこして
あっくんの所に持っていく。
甥っ子「拓哉っていうの!!」
最近人見知りも無くなって今はもう
あっくんに興味津々。
甥っ子「あっくん!あっくん!」
甥っ子はあっくんの方に腕を伸ばして抱っこ
してもらいたいらしい。
一応あっくんに許可を取ると大丈夫やで!と
ニコニコの笑顔で甥っ子を抱っこしてもらった。
甥っ子「あっくん、WESTのあっくんに似とるね!」
甥っ子「……ん?あっくんはあのあっくんなの?」
甥っ子「……あなたちゃー!!あっくん!!」
私と甥っ子の分の飲み物も入れて
あっくんの隣に置いた。
レジ横の小さなカレンダーをあっくんに渡して
日にちを決めてもらう。
テーブル席の片付けを一旦止めて
あっくんの方に近付き予約日を確認。
お店専用のカレンダーと私の手帳の日付に
紫のペンで書き込む。
確かに私は無意識で紫のペンで書き込んでいた。
ちゃんと会ったことはない。
でも1人だけ辞める直前に新しく入ってきた子を
見かけたことがある。
会ったことないのに会ってみたいって言われても
それは不思議で仕方ない。
崇裕と淳太を落としたって多分
そっちの話のことだろう。
……ん?
あっくんはそのままアイスコーヒーを飲み干して
少し甥っ子と遊んだ後にあっくんはお店を後にした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!