第51話

イヤモニが白色の理由 51
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2020/11/18 09:12
貴方side
〜現在編〜
今は修羅場と言っても過言ではない。
桐山照史
桐山照史
……何で黙ってるん?
自分何したんか分かってるん??
女子高校生「…………………。」
中間淳太
中間淳太
はぁ…。
あなた

…………………。

何故このような事が起きたのかと言うと……









〜30分前〜
大倉くんの悲しいくらい綺麗な笑顔に見とれてた
私を現実に戻らせたのは
2階に繋がる階段を慌ただしく駆け上がってくる
ドタバタとした音だった。
大倉忠義
大倉忠義
…違うと思うけど。
音に気づいた大倉くんは
直ぐに私の方に来てくれて大倉くんは
私の前に来て背中に私を隠してくれて
守ってくれた。
そのまま大倉くんはドアが開くのを待っていた。
そして勢い良く開いた扉に入って来たのは…
重岡大毅
重岡大毅
…大倉くんっ!!
大倉忠義
大倉忠義
なんや!!!
重岡かいっ!!!
重岡大毅
重岡大毅
あっ!すみません!
あなたちゃんごめん!
怖かったやんな??ごめんな??
あなた

あっ全然大丈夫っ!
それよりどうしたの?

重岡大毅
重岡大毅
あ……。
その……。
大倉忠義
大倉忠義
なんや?なんかあったん?
重岡大毅
重岡大毅
…女子高校生が黙秘で
何を質問しても何も返ってこない
状況が続いてて…。
横山くんも途中から入ったんですけど
横山くんもお手上げ状態で……。
それで……。その……。
大倉忠義
大倉忠義
……俺が話せと?
重岡大毅
重岡大毅
……はい。
あなたちゃんは俺が責任もって
ちゃんと見ときます。守ります。
だから…その…
お願いしてもいいですか…?
勢い良く頭を下げた重岡くん。
大倉くんがなんて返すのかドキドキしていたら
大倉くんはスっと立って重岡くんの近くまで行った。
大倉忠義
大倉忠義
……絶対あなたの事守れよ?
重岡大毅
重岡大毅
はい。
大倉忠義
大倉忠義
…あなた。
毛布と吸入器と重岡連れて下に来て。
重岡大毅
重岡大毅
いやっ!大倉くんっ!!
大倉忠義
大倉忠義
守るって言ったよな。
俺がヒートアップして
相手を怒らせてしまった時
重岡は絶対にあなたのそばに居って。
あなたの小さな手を繋いだって。
…濵田の思い受け取ったって。
重岡大毅
重岡大毅
……分かりました。
あなたちゃん、行こか。
あなた

……うん。





〜現在編〜
という訳で冒頭に戻る。
私は女子高校生の姿が見えないテーブル席に座って
耳だけで話を聞いていた。
勿論私が座っているテーブル席の反対側には
ちゃんと重岡くんが座っていて
机の上に置いてある私の手を
重岡くんは優しく上から包んでくれている。
重岡大毅
重岡大毅
……無理そうやったら
いつでも言ってええからな?
あなたちゃんは被害者なんやから。
あなた

……うん。

今のところ大倉くんは何もせず
女子高校生が皆の問に答えるのを待っていた。
大倉忠義
大倉忠義
なぁ。いつまで黙ってるん?
ついに痺れを切らした大倉くんが声を出すと
一気に空気が変わって緊張感が増した。
大倉忠義
大倉忠義
…ここにいる全員の大切な人傷つけた
って言う自覚あるん?
…ここに居らん奴の大事な人傷つけた
って言う自覚あるん?
あなたの心を傷つけたっていう
自覚あるん?
なぁどうしてくれるん?
黙ってばっかはずるいんとちゃうか?
……ホンマに反省してるん?
横山裕
横山裕
…大倉っ。
大倉忠義
大倉忠義
だってそうやろ!?
俺らの大切なあなたを
傷つけたんやで!?
横山裕
横山裕
そりゃ俺らも許せへんよ。
許せへんけど…言い難いやろ。
こんな大の大人が一斉に囲んだら…。
横山くんがヒートアップしそうだった大倉くんを
宥めた。
すると大倉くんはこっちに向かって歩いてきた。
大倉忠義
大倉忠義
あなた。大丈夫?
あなた

…うん。大丈夫。

大倉忠義
大倉忠義
よかった。
…重岡はそのままな?
重岡大毅
重岡大毅
分かってます。
重岡くんは私の手をまた更に優しく包んでくれた。



……その時だった。
小瀧望
小瀧望
大倉くんっ!!!
小瀧くんの大きな声が店に響き
大倉くんが急いで振り返ると
底にはテーブル席に置いていたナイフを手に取り
思い切り走って来た女子高校生が居た。



「危ない」


直感で思った私は優しく包み込んでくれていた
手を離して大倉くんを包み込んで私が
大倉くんを守る体制になった。
重岡大毅
重岡大毅
あなたちゃん!!!!!
重岡くんの大きい声がまた店に響き
それと同時にさっきまでは聞こえなかった
色々な音が聞こえて来た。
女子高校生「死ねーーーーーーーーー!!!」
大倉忠義
大倉忠義
あなたっ!!!!
目をつぶってナイフが来るのを待った。


……でも幾ら経っても痛さとか来なくて
瞑っていた目を開けようとしたら
誰かの手が私の目に抑えられていて
目の前が見えなくなった。
重岡大毅
重岡大毅
…あなたちゃんは
見いひんとって……。
あなた

えっ?

多分この手は重岡くんの手で
今も重岡くんが守ってくれてるってことだけが
分かった。

でも……ナイフは?大倉くんは?
横山裕
横山裕
大倉っ!大丈夫か!?
大倉忠義
大倉忠義
…大丈夫大丈夫。
かすり傷や。
あなた

えっ…?

重岡大毅
重岡大毅
…大丈夫。大丈夫やから。あなたちゃん。
あなた

見せて…。

大倉忠義
大倉忠義
あなたは見たらあかん。
あなた

なんで…。

大倉忠義
大倉忠義
……重岡。
重岡大毅
重岡大毅
はい…。
大倉忠義
大倉忠義
俺の代わりに今起きてること
簡単に説明してあげて。
重岡大毅
重岡大毅
いや…でも。
大倉忠義
大倉忠義
…俺は今利き手をちょっと
怪我してる。
…万全やないねん。
あなたを守るのに。
分かるな?言ってる意味。
重岡大毅
重岡大毅
……分かりました。
あなたちゃん。あのな?
ふぅーと息を吐く重岡くんの次の言葉を待っていた。
重岡大毅
重岡大毅
……俺らの前に
女子高校生が刃物持って立っとる。
大倉くんはあなたちゃんを抱きしめながら
守って…。
ちょっとだけ怪我してるけど
見るからには軽傷だから大丈夫や。
そんで……今俺があなたちゃんを
守っとる。
この手をどかしたらあなたちゃんに
女子高校生が見えてまうねん。
俺の背中であなたちゃんを
隠すことは出来る。
出来るけど…こっちの方が
守ってる感じがするし安心するやろ。
それに…
過去のこと思い出さなくて済むやろ?
あなた

……なんでそれを。

横山裕
横山裕
…ごめん。あなた。
俺が教えた。
重岡大毅
重岡大毅
…そういうこと。
……あなたちゃん。守らせてな。
照史。淳太。
桐山照史
桐山照史
うぃ。
中間淳太
中間淳太
……ええ加減にしぃや?
音だけだから分からないけど
淳太くんとあっくんが女子高校生を押さえつけ
手に持っていたナイフを床に落として
その床に落ちたナイフを神山くんが拾って
小瀧くんと藤井くんが
「警察来た!」「救急車来た!」って叫んで…。

女子高校生は何か叫びながら外に出て
大倉くんも救急隊員に連れて行かれて

私は急にお店が静かになった瞬間に
目の前が見えやすくなって
かと思えば直ぐにまた見えずらくなった。
かと思えば背中を優しくさすってくれたり
頭を撫でてくれた。

上を見上げると重岡くんがいて
私と目が合うと優しく笑ってくれた。

その時分かった。
私は重岡くんに抱きしめられてる。
重岡大毅
重岡大毅
…もう大丈夫。
大丈夫やで。
あなた

…うん。
ありがとう。守ってくれて…。

重岡大毅
重岡大毅
…男ってのは
大切な女の子は命懸けで守るもんや。
やからお礼なんていらんよ。
…これが当たり前なんやから。
私が落ち着くまで重岡くんは抱きしめてくれた。

私が落ち着いたのを確認した重岡くんは
優しく私を離して私の手を握ってくれた。
重岡大毅
重岡大毅
…でもあなたちゃんも
かっこよかったで?
大倉くん守ったの。
びっくりしたけど…。
あなたちゃんらしいなって。笑
あなた

…守られてばかりは
嫌だから。

重岡大毅
重岡大毅
……そか。
でも濵ちゃんと会ったら
それは辞めてもええと思うで?
あなた

えっ…?

重岡大毅
重岡大毅
…濵ちゃんはずっと
あなたちゃんのこと守るから。
あなたちゃんが濵ちゃんの前に立って
濵ちゃんのことを守るとかしたら
濵ちゃんは多分やけど怒るんちゃう?
何してんねん!って笑笑
目の下にエクボを出しながら笑う重岡くんに
私も思わず笑ってしまった。
あなた

…そうだね。確かに笑笑
想像しちゃった笑笑

重岡大毅
重岡大毅
せやろ?笑笑
小瀧望
小瀧望
あなたちゃん!!
……あぁ〜!!!しげ何してんねん!!
重岡大毅
重岡大毅
うっさいなぁ笑笑
守ってたんや!!!!
小瀧望
小瀧望
それは皆一緒やろ!!!!
重岡大毅
重岡大毅
お前は逃げてたやろ!?
神山智洋
神山智洋
もぉー。うるさい!
…あなたちゃん。
照史たちが呼んでるから
1回外行こか。
あなた

…うん。分かった。

重岡大毅
重岡大毅
…立てるか?平気?
あなた

大丈夫大丈夫笑笑

私が立つと一緒に重岡くんも立って
私を呼びに来てくれた神山くんと小瀧くんに続いて
一緒に外に出てあっくん達の方に向かった。

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