第40話

イヤモニが白色の理由㊵
2,594
2020/10/14 11:34
貴方side
〜現在編〜
横山くん達と食器などを出し終えた時と同時に
大倉くんと淳太くんが大きな袋を持ってカフェに
帰ってきた。
あなた

おかえりなさい〜。

大倉忠義
大倉忠義
ただいま〜!
大倉くんが持っていた袋をもらいそのままキッチン
まで行って横山くんに預ける。
私は冷蔵庫に行って水を出し大倉くんと淳太くんに
持って行った。
中間淳太
中間淳太
おおきに〜。
大倉忠義
大倉忠義
ん〜!んまぁ。
2人が水を飲んでいる間私は皆で食べれるように
椅子や机を並べていた。

水を飲み終えた2人はキッチンに行って
エプロンをつけて買ってきた食材を並べながら
晩御飯の準備をしだし始めた。
大倉忠義
大倉忠義
桐山〜!お前料理できるやろ?
桐山照史
桐山照史
出来ます〜!
大倉忠義
大倉忠義
手伝って〜!
桐山照史
桐山照史
分かりました〜!
大倉くんに呼ばれたあっくんは黒色のエプロンを
つけながらキッチンに入って行った。
横山裕
横山裕
…まさかあなたが
大倉のミネストローネ食べたいなんて
言うとは思わんかったわ。
3人を見守っていると横に影が出来て
直ぐに横山くんが隣に来たんだなと分かった。
横山くんは私が大倉くんが作るミネストローネが
大好きで安心出来る料理だってことは知ってる。
あなた

…なんか急にね。
食べたくなったの。

横山裕
横山裕
…まぁ確かに美味いよな。
大倉が作るミネストローネ。
あなた

…うん。
私も何回か作るけど
あんなに美味しいミネストローネは
作れない。

横山裕
横山裕
教えて貰ったらええやん。
あなた

…大倉くんから教えてもらうより
大倉くんが作ったものじゃなきゃ
食べた感じがしないの。
大倉くんのが食べたいの。

下手する、失敗する、美味しくない。
とかそんなんじゃない。

私が作るミネストローネと大倉くんが作る
ミネストローネは何かどこか違くて…。

でもその何かが分からない。

感情?愛情?とか色々考えたけど
何回やっても自分が納得するミネストローネには
ならず、結局やっぱりミネストローネは大倉くん
が作った方がいいんだって何回も作るうちに
そう思った。
大倉忠義
大倉忠義
あなた〜?
一緒に作るか?
あなた

…大丈夫!笑
私は大倉くんが作るミネストローネが
食べたいの。私が作るのは違うの。

大倉忠義
大倉忠義
何言ってるか分からんわ笑
笑いながらもパパッと大倉くんはミネストローネ
を美味しく作っていた。
マカロニ、にんじん、キャベツ、ベーコン…
それらを入れた鍋に最後にトマト缶を入れる。

一つ一つの行動があの時と重なった。
何故私が大倉くんが作るミネストローネが大好き
なのか、それしか食べたくないのかがよく分かった
気がした。
あなた

…安心するんだ。私。

横山裕
横山裕
ん?
あなた

…大倉くんが作るミネストローネを
食べる時や、作る姿を見ると
安心するの。
…居ていいんだって。
そう思わせてくれる素敵な料理なの。

今は後ろ姿しか見えないけど
大倉くんの家で作ってくれた時は正面から
見えたから大倉くんを良く見えてたから
きっと安心したんだと思う。
何に?って聞かれたら
きっとここに居ていいんだよ。
私はここに居ていいんだよ。
ここに帰ってきていい。
ここに俺がいるからって料理越しで伝わったから。
横山裕
横山裕
…大倉が作る料理は確かに
安心するよな。
あなた

…うん。

後ろ姿しか見えない今でもミネストローネを
作ってくてるんだって思ったら
本当に嬉しくて安心して…。
あなた

早く食べたいな〜。

大倉忠義
大倉忠義
……出来た〜!
横山裕
横山裕
出来たって笑
あなた

やった〜!
大倉くん!手伝う〜!

大倉くんの方に向かって色々と手伝っていた。
あなた

あっ!私の多めに入れて〜!

大倉忠義
大倉忠義
なんでやねん笑
あなた

いいじゃん〜!

大倉忠義
大倉忠義
良くない笑笑
見てみ?桐山の量笑
あなた

ふふっ笑笑
少な〜い!

桐山照史
桐山照史
なんやて〜!
…うわぁ!ちょっ!笑笑
大倉くん!俺も多めに入れてください!
大倉忠義
大倉忠義
桐山はちょっと痩せろ笑笑
中間淳太
中間淳太
せやで笑
大倉くん、もっと言ったって下さい。笑
大倉忠義
大倉忠義
中間でも無理なら
もう無理やろ笑笑
楽しく晩御飯の準備を5人でしていた。
途中で横山くんも入ってきて更にあっくんの弄りは
続いたけどあっくんと淳太くんがつっこんで
更に笑いに溢れた。

私が準備した机の上に豪華な料理が並んで
豪華な料理が並び終えたら私たちは椅子に座った。

私の右隣には横山くんが座って
左隣には淳太くんが座った。
大倉忠義
大倉忠義
よしっ。
じゃあ、せーの!
あなた

いただきます。

桐山照史
桐山照史
いただきます。
横山裕
横山裕
いただきます。
中間淳太
中間淳太
いただきます。
大倉忠義
大倉忠義
いただきます。
皆が思い思いに食べ始める中
私は直ぐに目の前にあったミネストローネを口に運び
直ぐにあの時みたいに優しい気持ちが溢れた。
あなた

…美味しい。

大倉忠義
大倉忠義
…良かった。
目の前にいる大倉くんの方を見ると
何も変わらない優しい笑みを浮かべていた。
大倉忠義
大倉忠義
変わってへんやろ?笑
あなた

うん。
寧ろ美味しくなってる笑

大倉忠義
大倉忠義
…そうか笑笑
大倉くんはずっとあっくんが作った
ハンバーグに食いついていた。
それが照れ隠しっていうのももう分かってる。
あなた

…ありがとう。

大倉忠義
大倉忠義
……ん。
ハンバーグ美味っ!!
桐山照史
桐山照史
いぇーーい!やった〜!笑
2人の可愛いやり取りを横目に私もハンバーグを
フォークで切って口に入れた。
あなた

ん〜!美味しい!

桐山照史
桐山照史
いぇーーーい!笑笑
中間淳太
中間淳太
うるさいなぁ笑笑
桐山照史
桐山照史
やって嬉しいんやもん!笑笑
横山裕
横山裕
……普通やな。
桐山照史
桐山照史
ちょっと!横山くん!!笑笑
何も変わっていないのは
もしかしたらミネストローネの優しい味だけでは
ないらしい。

今目の前で起きているこの関係や景色も
何も変わってない。

8年前も1回だけ5人で食べたことある。
その時もこんな感じで盛り上がって笑って…。
あなた

ふふっ笑笑

中間淳太
中間淳太
んっ?
あなた

…ううん。
懐かしいなって笑笑

私がみんなのやり取りを静かに見守って
笑っていたからそれに気がついた淳太くんが
優しく聞いてきた。
中間淳太
中間淳太
…‪…あぁ〜。笑笑
1回あったな?笑
あなたが体調崩して
心配して家行ったら
大倉くんと横山くんが既に居って。
俺と照史はもうびっくりした笑
あなた

あの時崇裕って…。

中間淳太
中間淳太
……居なかったな。
あなた

…レッスン?だったっけ?

中間淳太
中間淳太
せや。確か。
懐かしい思い出が懐かしい味と共に蘇る。
笑いあった日々や
悔しくて泣いた日々や
夢が叶った嬉しい日々や
努力も孤独も頑張りも報われず悔しい日々。

そんな時でも必ずこの5人や崇裕が側にいてくれて
皆がみんな違う方法で私を励ましてくれた。

あっくんはギュッて抱きしめてくれたり
淳太くんは頭撫でてくれたり
横山くんはご飯に連れて行ってくれたり
大倉くんは料理作ってくれたり
話聞いてくれたり
崇裕は……ずっと傍にいてくれた。
無言が続いても何も言わなくても、言えなくても
私が喋るまで私の心が軽くなるまで
何も喋らずただずっと私のペースに合わせて
横をずっと歩いてくれた。
あなた

…ありがとう。

中間淳太
中間淳太
んっ?
あなた

…ううん。何にもない笑笑

「ありがとう」と淳太くんに聞かれそうになって
いざ本人の目の前で直接言うのは恥ずかしいから
また言いそうだった言葉を胸にしまって
またミネストローネを飲んだ。

あっという間に5人で食べる楽しい晩御飯は
直ぐに終わって皆は私のことを心配してくれて
もう一泊泊まろうか?と言ってくれたけど
流石にこれ以上迷惑かけられないから
皆を家に帰した。


「ありがとう」と
次に言うのは 次に皆に伝える時は
崇裕と無事に会えた後心から伝えたい。

その時までちゃんと取っとくね。

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