第61話

イヤモニが白色の理由 61
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2020/11/18 09:14
中間side
〜現在編〜
助手席に座って膝の上に置いてある
あなたからの手土産を覗いた。

唐揚げ、グラタン、ハンバーグ。
それとは別に一番下には黄色の巾着に包まれている
ものがあった。
俺はちょっとガサゴソしながら巾着を開けてみると
俺が昔よく食べていた台湾風のまぜそばが
入っていた。
タッパーの上にはあなたの可愛らしい字で
付箋に「昔好きだったでしょ?頑張って作った!」
と絵文字付きで書かれていた。

あなたはホンマにそういうやつ。
俺がやっとこの気持ちにケジメをつけようと
今日の打ち上げ前の濵ちゃんの言動で…
いやそれよりも前には決めてたはずなんやけど
こんなことされたら…揺らいでしまう。
中間淳太
中間淳太
……ずるいって。
あなたは何とも思わんの?

昔俺な向けたあの笑顔はなんやったん?
俺の呼び名をちょっと皆とは変えて
たまに「淳くん」と呼んでいたのは
どんな気持ちで呼んでたん?

勝手に盛り上がって 勝手に沈んで
アホやな。俺って。
頭はいいのにこんな事はバカやねん。アホやねん。
中間淳太
中間淳太
……あなた。
そんな時ポケットに入れていた携帯が震え
携帯を出してみると濵ちゃんからメールが来ていた。
濵田崇裕
濵田崇裕
📱✉ 無事に買えました。
明日、会いに行きます。
……ありがとう。淳太。
淳太の分まで、皆の分までちゃんと
あなたのことを守るし
あなたのことを愛して幸せにします。
…背中押してくれてありがとう。
辛かったと思う。
俺も淳太とか照史とかの気持ち
知ってたから。
でもその2人の思いを俺は無駄になんか
せえへんから。
ホンマにホンマにありがとう。
明日やっと2人は8年ぶりの再会を果たす。

綺麗になったと思ったら
8年前とは何も変わってなかった
可愛らしい笑顔とか
久しぶりあなたの手料理も何も変わってない
この料理も……
明日から全部濵ちゃんのものになる。

俺はもう近くでは見れたり味わえることなんて
もう出来ひん。

羨ましい半面嬉しいという複雑な俺の心情。

勝敗なんてもしかしたらJr時代の頃から
分かりきってたんやと思う。

「両思いのプリンセスとプリンス」

そうやん。
俺らの間ではそう言ってたやん。

照史も俺も…
幸せ2人に勝てることはもう無理やったんや。
初めから分かりきってたやん。


やからかな…。
あの時しげが俺に言ってくれたのは。
重岡大毅
重岡大毅
…濵ちゃんやで?
絶対大丈夫。
史上最高のメンバーやん。
淳太も辛いやろうけど
ちょっとずつでええからさ?
前向こうや。
俺もおるし!!!なっ!?
こいつが恋愛系だの学園系だのの作品に多く
声がかかるのがよく分かった。
…きっとこの言葉や役が全部マッチするんやろう。
中間淳太
中間淳太
…奪えるもんなら奪いたかったな。
でも俺にはきっと出来ないことを
濵ちゃんならやってくれると信じてる。

色々な景色を見させてあげて欲しい。
色々な形の愛をあげて欲しい。
色々な…色々な…

俺には出来ないものを全部やって欲しい。
そうすればきっと俺はケジメつくから。



















今日初めてあなたに嘘ついた。
用事ってことは合ってるかな。
でもその用事は明日になったら分かるから。
いつもより綺麗になって待っててな?



多分これが最後になるんだと思う
あなたからのお土産をまた丁寧に膝に乗せ直し
紺色の空に浮かぶ綺麗な満月を見て


8年前からそれ以前、そして出会ってからまでの
あなたのあの笑顔とか全てを思い出して
重ねていた。

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