第39話

イヤモニが白色の理由㊴
2,641
2020/10/11 22:45
貴方side
〜現在編〜
小瀧さんが突然ここにやって来てから数時間後
窓から見える空は青色から綺麗なオレンジ色に代って
すぐに私たちがいる部屋のドアがコンコンとノック
された。
桐山照史
桐山照史
はーい!
あっくんがノックに対して返事をすると
ガチャと音を立てたドアから入って来たのは
淳太くんだった。
中間淳太
中間淳太
…晩メシなんやけどさ?
冷蔵庫の中切らしてもうたんよ。
今から俺と大倉くんで
買い物行くんやけど
食べたいものあるかなって思って
聞きに来てん。
なんかある?
あなた

…あ、私行くよ。

流石にこれ以上迷惑かけられないし
あくまで大倉くんや淳太くんはお客様だから
ここは私が行かないと行けない。
中間淳太
中間淳太
あかんよ。
あなたは休んどって?
あなた

えっ…。行かせてよ。

桐山照史
桐山照史
俺と一緒に待っとこうや。
…カメラマンとかに追われるの
俺嫌やし。
俺らが居らん間に
傷ついて欲しくないんよ。
中間淳太
中間淳太
…そういうことや。
それにまだ治ったばかりなんやから
安静にしとき?
あなた

……ごめん。本当に。

桐山照史
桐山照史
ごめんは要らんよ。
中間淳太
中間淳太
せやで。笑
料理も何もせえへんでええよ。
大倉くんが作ってくれるらしいから。
あなた

…本当に?

大倉忠義
大倉忠義
中間〜?行けるか〜?
1階から大きな声で大倉くんが淳太くんを呼ぶ
声が聞こえた。
淳太くんもすぐ行きますと返事をして
また私たちに何食べたいか聞いてくれた。
…特に何も思いつかなかったけど
でも何故か大倉くんが作るならと一つだけ頭に
浮かんだ料理があった。
桐山照史
桐山照史
あなたは?何食べたい?
あなた

…ミネストローネ。

中間淳太
中間淳太
ん。分かった。
メインはこっちで決めるわ笑
桐山照史
桐山照史
ありがとう〜!淳太くん!
大倉くんが作るミネストローネは本当に美味しくて
私が何か落ち込んでいた時や事務所を辞めて
家も何もかもどうしたらいいか悩んでいた時
大倉くんの家に居た時があった。
その時に作ってくれたのもミネストローネだった。

久しぶりに大倉くんが作るミネストローネを
食べれるって思うと本当に楽しみ。
桐山照史
桐山照史
なんでミネストローネ?
あなた

…大倉くんが作る料理の中で
1番美味しくて
私の中で思い出の味なの。
だからもう一度食べたいなって思って。

桐山照史
桐山照史
そうなんや〜。
それ俺も食べれるんか〜。
嬉しいなぁ〜笑
あっくんの言葉を聞いて
窓の外を見てみると大倉くんと淳太くんが
丁度お店から出てきた。
あなた

大倉くん〜!淳太くん〜!

窓を開けて私の声に気付いた2人は
上を見て私と目が合って私に手を振ってくれた。
私も手を振り返したら2人とも笑ってくれた。
大倉忠義
大倉忠義
あなた〜!
ミネストローネ前よりもっと
美味いの作ったるから
桐山と待っといて〜!!
あなた

うん!
楽しみにしてる!

大倉忠義
大倉忠義
下に横居るから
なんかあったら下に行き〜?
あなた

ありがとう!

大倉忠義
大倉忠義
いってきます〜!
あなた

行ってらっしゃい〜!

夕日に向かって歩き出す2人を
いつまでも見守っていた。
桐山照史
桐山照史
……いいなぁ。
行ってきます、行ってらっしゃい
って言い合えるって。
あなた

ん〜?

2人が見えなくなってから
静かに窓を閉めるとあっくんが床に寝転びながら
私の方を見ていて私も椅子から降りて
あっくんの隣に寝転んだ。
桐山照史
桐山照史
行ってきますって言ったら
行ってらっしゃいを言ってくれる相手
が居るとお互い幸せやん。
多分今大倉くんも幸せやったと思う。
あっくんは天井を見ながら言っていた。
確かになにか喋ったら返してくれる相手が居ると
それだけで幸せになれる。笑顔になれる。
桐山照史
桐山照史
……濵ちゃんええなぁー!
あなた

…うわぁ!

私もあっくんと同じように天井見ていたら急に
横にいたあっくんが私をぎゅっと抱きしめた。
桐山照史
桐山照史
…ずるい。
あなた

あっくんってこんなに
焼きもちを妬く人だったっけ?

桐山照史
桐山照史
ええやん!笑
別に笑笑
そのままずっと私を抱きしめたままあっくんは
黙ってしまった。
何をすればいいのか分からず私はずっと
腕の中にいたけど私もしばらくしてから
あっくんの背中に私の腕を回した。
桐山照史
桐山照史
……幸せになってな?
目は合わないが私の頭を優しく撫でてそう言った
あっくん。
私もさっきよりもちょっと強めに抱きしめて
あなた

…うん。
私も崇裕のこと幸せにするから。

「安心して」と言う代わりに
ぎゅっとあっくんを抱きしめた。
同期のふたりが付き合って下手したら結婚する
可能性もある。
この先ジャニーズWESTは大きくなる為に
今はとても大事な時期。
だからあっくんはとても不安なはず。
これからって言う時に元同期の私と
大切なメンバーがこんな時に出会ったら
ファンはどんな思いをするのかなんて
私にでも分かるしそれが不安なあっくん。

最悪な場合、「ファンが離れる」という
最も起きてはならない事実だって
起きる可能性が高い。
桐山照史
桐山照史
…あなたの声でそれを聞けて
俺安心した。
やっと目が合うとふにゃと優しく笑ってくれて
私も優しく笑ってみせた。
桐山照史
桐山照史
…横山くんのとこ行こか。
あなた

…うん。

2人で立ち上がってあっくんが先に歩く。
あなた

…悲しい思いにさせないから。

先を歩くあっくんにそう言った。
あっくんは右手をドアノブにかけていた時で
手を離したあっくんは振り返ってくれた。
あなた

…ファンの皆様とメンバーの皆に
絶対に悲しい思いをさせないから。

桐山照史
桐山照史
……ありがとう。
俺らは大丈夫やで。
ファンの皆もそりゃ不安やと思う。
悲しいと思う。
けどそれだけで離れたりなんか
せえへんよ。
俺らのファンは最強やから。
そう言ってあっくんはまたドアノブに手をかけ
扉を開けて廊下に出た。
桐山照史
桐山照史
あなた?どした?
あなた

…ううん。なんでもない。

あっくんの近くに行って部屋を出て
下に居る横山くんの所に向かう。
桐山照史
桐山照史
…崇裕なら守ってくれる。
どんな汚い奴らがあなたを傷付けて
来ようと崇裕は全力であなたを守るで。
……俺らもや。
もうすぐで1階に着く時に階段の途中で
あっくんは私にこう言った。
少し止まってしまった私をそのままに
あっくんは階段を降りきって
横山くん〜!と大声を出しながら
横山くんの方に行った。

私には崇裕が居る。私には皆がいる。
崇裕には私が居る。崇裕には皆がいる。

崇裕が私を支えてくれるように
私も崇裕を支えなきゃ。

崇裕に会える時間まで
私は崇裕にやれるべきことを考えないと。
横山裕
横山裕
あなた?何してんねん笑
あなた

あ、ごめん。笑

横山裕
横山裕
…食器出すのとか手伝ってや笑
あなた

うん!

横山くんと一緒に台所まで行って
3人で食器を出したりと2人が帰って来る間に
色々と準備をした。

崇裕に会えるまで
私の周りで起きた小さな幸せを拾い集め
崇裕に分けたい。
なんなら分けられる人になりたい。
明るい未来を共に作って行きたい。
崇裕と。

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