第20話

#20 香り
114
2021/01/08 13:26


元日ー



昼過ぎに急な電話がかかってきたー




田中樹
📞俺だけど…
 あなたちゃん今どこ?
you
家にいるよ^ ^
田中樹
📞仕事終わったから、
 遊びに行っていい?
you
うん…
田中樹
📞じゃあまた後で!



鍵を渡したら、帰ってもらおうー




連絡先も消そうー



そう思って鞄から樹くんの家の鍵を取り出すー




you
この匂い



初めて出会ったときに感じたバニラの香りー




鞄もなぜかバニラの香りがして…




you
なんで…?


彼はどうして忘れさせてくれないんだろうー





考え事をしていると、



インターフォンが鳴って…






私は樹くんだと思い、



躊躇うことなく扉を開けたー





田中樹
会いたかったよ^ ^



そういうと、樹くんは抱きついてきたー






初めて会ったときを思い出すー







私は冷静を装い、樹くんから離れたー


田中樹
ごめん…急に、
you
鍵返すね…
田中樹
あのさ、鍵は返さなくていいよ^ ^
you
そうはいかないよ!
もう樹くんには
迷惑かけないから…
you
今までありがとう^ ^
じゃあね!
田中樹
なんで俺のところから
いなくなろうとするの?
you
だって…
田中樹
俺はあなたちゃんのこと
好きだよ、初めて会ったときから^ ^
田中樹
告白するのは、別れたばっかり
だったから、もう少し後の方が
いいかなって思ってたけど、
ずっと本気だったよ!
田中樹
俺じゃダメかな…
you
樹くんはダメなんかじゃない…
私がダメだよ…
田中樹
なんであなたちゃんが
ダメって決めるの?
俺はあなたちゃんがいいんだけど…
you
田中樹
俺さ、すごく恥ずかしいんだけどさ、
北斗に嫉妬してた!
それはさあなたちゃんが
北斗と楽しそうに話してたから…
田中樹
でも、後悔したくない!
you
…私も樹くんが好きだよ^ ^
初めて会ったときから、
ずっと忘れられないぐらい!
you
でも、テレビの中でキラキラ
輝いてる樹くんを見ると
不安になって…
田中樹
そんなことで心配になるなよ!
目の前の俺だけ見て^ ^
you
…うん、
大好きだよ^ ^
樹くんのおかげで
自分らしくなれた気がする!
田中樹
うん^ ^
あのさ…
部屋行こう!
玄関、寒い…
you
あー…
ごめん!
目の前に樹くんがいて、




隣に私がいるー



you
樹くん、朝からテレビ出てて、
昼ご飯食べた?
田中樹
食べてない!
早くあなたちゃんに会いたかったから…
you
じゃあ今からすぐ作るね!
ちょっと待ってて…



そう言ってオムライスを作ったけど…




you
疲れてたんだね…



ソファで樹くんは寝ていたー



でも、その寝顔を見て安心してる自分がいたー




プリ小説オーディオドラマ