ワルプルギスが開かれることになったらしい。
今回の従者はディアブロに譲り、私は加速と神速の訓練を続けた。
今はクロエと時間停止内で訓練をしている。
やっぱり時間を操れる者同士、勉強になる。
リムル様が帰ってこられた。
そして、魔王の中に裏切り者がいるらしい。
私の我侭なのに…。
魔王ダグリュール、私では勝てないかもしれない。
でも、私は1人じゃない。
紫苑と一緒ならどんな敵でも…。
軽い晩餐が用意され七曜の老師や聖騎士のアルノー、ルベリオスの主力となる者たちが集められた。
聖騎士団の代表のアルノーが驚愕し、呻き声をあげる。
そりゃそうか、人間にとってコレは何時死んでもおかしくない状況になるかもしれない…いや、なったか?
まぁ、かなりまずい状況に変わりない。
だが、魔人の貴族達は動揺していない。
最悪の場合、人間達を切り捨てるのか…。
ルミナス様も考え込んでいるし、一足先に並列存在を向かわせて足止めをしようか…。
私がそんな事を考えていると
ルミナス様の一声にて、アルノーは黙り、他の者達も冷静化を取り戻していた。
流石はルミナス様だ。
ルミナス教の神なだけはある。
ルミナス様がこちらを見た。
それから着々と作戦を練っていると、ルミナス様がふと、質問を私に投げかけてきた。
そして、大体の作戦が決まった。
魔王ダグリュールの相手は私と紫苑、ルミナス様がする。
そして、魔王ダグリュールが時間停止を使ってきた場合は私が主力となり戦う。
最終手段として、私が範囲を指定し辺り一帯を迷宮化…つまりルミナス様や聖騎士団、私達の部隊の者達が死んで私が蘇らせるという力技。
出来るか不安だが…やるしか無い。
は…?
リムル様が、負けた…?
だが、魂の回路は途切れていない。
つまり、リムル様は滅んでない。
重症になったか、行動不能か…。
大丈夫、リムル様にはディアブロやウルティマちゃん達がついてる。
負けるわけがない、私達の主は最強のスライムだから。
紫苑を冷静にした後、私はダグラ達を呼んだ。
不安になるな…。
にしても、危険で封印まで…。
今回はソイツまで連れてくるかもな…。
油断はするつもりは無いが、手加減もなしで行こう。
紫苑はオーガの時の事を言ってるのだろうが、デブラが変な解釈をしたらしく…
と、2人で怒鳴るとデブラは
と、言って気絶した。
兄2人も羨ましそうに見ている。
なんなんだよ…。
さてと、切り替えて…。
魔王ダグリュール、過去にはヴェルドラ様とタイマンで張った事もある強者。
私も認められているが、まだまだ弱者。
どこまで通じるか知らないが…やるだけやってみよう。
私は迫りくる巨人軍を見据えながらそう考えた。
数では勝ってるが、質は向こうが上。
ジャイアントオーガにサイクロプス、ヘカトンケイルにティターン族、圧倒的強者だ。
紫苑の案で骸骨兵士をを先に行かせて後から攻めることにした。
なんか、紫苑が給料の話でショックを受けていたが…何かあったか?
装備ならあるのに…。
紫苑の部隊は紫紺色の全身鎧、私の部隊は藤色の全身鎧を身に着けてあるのに…。
私は薄紫の魔力弾を敵の方に投げ込み魔法を発動させた。
魔力弾は膨張し、破裂して、雑魚を消し去った。
アルノーがそんなことを言っているか気にせず、ダグリュールのもとに向かった。
改めて気付いたことは、こいつ等はまるでオークロードに従う豚のような感じだということ。
仲間の死を恐れない、ただ王が示した敵を殺すだけ。
まぁ、オークロードとは比べ物にならないほど面倒くさいが…。
身体は硬そうだな…。
貫けるか…?
私は大鎌でダグリュールに斬り掛かった。
ダグリュールはギリギリで気付き、心臓は狙えなかったが…
これからが本番だ…!!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。