-入学式-
周りが騒々しい。新一年生かな…?
まぁ、俺は?1年の入学から?
やらかしましたけど?
そんなどうでも良い事を考えていたら
入学式が始まっていたそう。
誰か入って来ないかな…俺の寮にも。
そろそろゴースト以外とも過ごしたい…
銀髪が綺麗な後輩君。
眠そうだし、今度お昼寝に誘おうと
思いながらも、零した言葉。
ただ、呟いただけなのに先生達に
睨まれた。何で⁉
あ、絶対委員長タイプの子だ…
あんまり言っちゃ駄目だとは思うが
俺は苦手なタイプかなぁ…
気楽に生きようぜ派だし。
嫌嫌!俺はあんま同じ寮に
なりたくない!怖いって!
冷や汗をかきながら、闇の鏡の
前に立つ赤髪の後輩君を見つめる。
うおぉぉぉ、感謝してるぅぅ!(
え、偉い。偉すぎる…
そりゃあ、ハーツラビュル寮だ
当然の結果に納得しながら
ケイトの事を考える。
何か、苦笑いしてそう…w
ちらりと盗み見ると…
案の定、顔が歪んでいた。
そしてまた、先生達に睨まれた。
ついでに言うのであれば
さっきの赤髪の後輩君にも睨まれた。
ねぇ、俺先輩だから!
ちょっとだけ入学式でやらかした先輩!
ふてくされた顔をしていると
それを見たらしい学園長も
こっちを見て、若干睨まれた。
え、俺こっから抜け出そうか?
まぁ、そんなこんなで入学式は終わり。
登校1日目となった。
そう、俺は今年もぼっちが
確定したのであった。
エペルが入学するまでには
ぼっち回避したかったのにさ…
2年生と絡もうかな。
でも、そうなると
ヤバい先輩とか気まずい同級生。
って言うレッテルが貼られる。
俺の声とほぼ同時に、寮の扉が叩かれる。
大好きな友達の声と共に。
「あなた、おはよ!」
その時の俺は気付かなかった。
いつもの2人の声にもう1人の声が
混ざっている事を。
そして、その声の主が
入学一週間後には、俺と同じ
ハーツラビュル寮の寮長になる
と言う、事実にも。
*
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。